東京都港区が、多くの人の居場所となるメタバースの提供をスタートしました。「ひきこもり状態の方のためのメタバース居場所」には、3つの特長があります。

2025年8月開設「ひきこもり状態の方のためのメタバース居場所」
「ひきこもり状態の方のためのメタバース居場所」は、8月に開設されたメタバースです。「港区メタバース総合支所」を拡張し、新たな空間を構築しました。
このメタバースは、心理的なハードルを下げながら他者と交流し、孤独感を軽減したり、社会復帰を支援したりすることを目的としています。今後、月に1回イベントを開催し、自宅から気軽に参加できる「居場所」で、人とつながり、未来を考えるきっかけを提供します。
メタバース構築の背景
東京都港区は、2025年3月より「港区メタバース総合支所」を提供しています。メタバースではアバターを自分好みにカスタマイズし、空間を自由に移動できます。この特性を生かし、港区は社会参加や対面での交流に不安を持つひきこもり状態の方を支援したいと考えました。
そこで、「港区メタバース総合支所」の構築・運用を行う大日本印刷株式会社(東京都新宿区)とともに、顔出し不要でテキストや音声でコミュニケーションが取れる「ひきこもり状態の方のためのメタバース居場所」を制作しました。
サービスの3つの特長
「ひきこもり状態の方のためのメタバース居場所」の特長は、以下の3点です。
- 季節の変化を感じられる空間
- 安心して交流できる環境
- 多様性に配慮したアバター
空間内では、利用者がリラックスして参加できるよう、自然の素材を生かしたデジタルアイテムを採用しています。また、四季の変化を感じられる工夫も施しており、訪れる時期によって異なる雰囲気を楽しめるのも魅力です。
メタバースでは、多様なバックグラウンドを持つ人が安心して参加できるよう、攻撃的な表現を防止し、感情を視覚的に表現できる「エモーション機能」を搭載しています。環境の整備による安心感を保ち、より円滑なコミュニケーションを実現する工夫で、心理的負担を軽減します。
使用できるアバターは「男性」「女性」「男女問わず」の3カテゴリー・全20種類です。多様性が重視される現代にマッチする、自由な表現のアバターが、積極的な参加を後押しします。
さらに、個々のニーズに寄り添ったサポートの実現に向け、メタバースには個別相談室も設置します。個々の状況に応じた対応で、心理的安全性の向上、多様性重視を両立したサービスの提供が可能です。
多くの人の活用に期待
新たな空間「ひきこもり状態の方のためのメタバース居場所」は、多くの人の居場所となるのでしょうか。今後の活用に期待しましょう。