NECとNTTコミュニケーションズは、スマートグラスを活用した実証実験を行いました。その結果や、商用化に向けて見えてきた課題は、気になるところです。
そこで今回は、スマートグラスの実証実験についての情報をまとめました。
スマートグラスで作業員の安全性を確保
今回行われた実験は、スマートグラスで製造プラント内での作業員の位置を特定するというものです。事前に構築した3Dマップに、スマートグラスで得た映像の特徴を照合することで、GPSなどを使用せず作業員の位置を特定します。
3Dマップは、スマートフォンで撮影した映像から構築しました。設置物が多く、入り組んだ敷地内では、障害物による電波干渉が起こりやすく、GPSやビーコンはその影響を受けやすくなります。スマートグラスなら、アンテナや受信機が用意できない、電波干渉を受けやすいという環境でも、測定・運用が可能です。
安全見守りの実証実験結果は?
実証実験では、スマートグラスを装着した方が歩行速度などを意識する必要がありました。カメラ映像はオフライン環境で照合し、撮影した映像から特徴点を抽出することに成功。作業員の安全性の確保に役立つ製品に向けての課題なども見つかったといいます。
商用化に向けた課題
NECとNTTコミュニケーションズは今後、商用化に向けて、照合精度を向上させるチューニングなども検証していく予定です。また、3Dマップにスマートグラスからの目線映像を直接伝送・照合する仕組みも作れるよう、準備を進めていきます。
実証実験での課題を踏まえて改良を繰り返し、2023年度末のスマートグラス商用化を目指すとのこと。最新技術の活用が、現場の安全性向上、よりよい労働環境の実現につながることに期待したいですね。
スマートグラスでより安全な世界に
メガネのような形のスマートグラスは、レンズがディスプレイになった次世代のアイテムです。実際に見える景色のうえに、取得した写真や文章、動画などの情報が映し出されるスマートグラスは、装着した人の視点で映像を確認できるのも、利点だといえます。
スマートグラスの強みを生かした新たな技術は、製造プラント内での迅速な異常の検知・救出に貢献すると予想されます。今後の改良や新たな実証実験の結果などにも注目しながら、商用化される日を待ちましょう。