メタバース規制に向けた国際会議を、アラブ首長国連邦が実施

アラブ首長国連邦の検察当局は、メタバース規制に向けた国際会議を開催すると発表しました。法規制を目的とした会議では、人工知能やブロックチェーンといった新たな技術も、議題とされる予定です。

中東圏でデジタル化の中心となるアラブ首長国連邦

アラブ首長国連邦は、中東のデジタル先進国として知られています。中心都市であるドバイには、ロシア語圏で多くの方が使用している「テレグラム」というメッセージアプリの運営拠点があります。また、2022年7月には、「ドバイ・メタバース戦略」を公表し、サイバー犯罪対策などにも注力しています。

バーチャルショッピングモールの立ち上げや、メタバース都市構築など、さまざまな取り組みに注目が集まるアラブ首長国連邦は、2022年7月からの5年で、4万人のメタバース関連雇用を生み出すなど、大々的な発表や動きを見せています。

国際会議の議題は、「人工知能の技術と応用、サイバーセキュリティ、仮想資産、デジタル通貨、ブロックチェーン技術や、それらの捜査に関する法的・司法的・規制的側面」です。メタバース・ガバナンス分野の有識者や専門家が集まる、最大級の会合になるともいわれています。

国際会議が実際に開催されれば、アラブ首長国連邦をはじめ、世界のさまざまな国でのデジタルに関する課題が明確になり、解決に向けた糸口が見つかる大きな機会となるでしょう。

アラブ首長国連邦の法務長官、検事総長は、国際会議でメタバース・ガバナンス分野の成功事例を共有し、国内の政府と民間、そして国際機関の「役割と責任」についての法的枠組みを策定したいとしています。国際犯罪への対応を強化しながら、同国をビジネスや投資の場としていくことが、国際会議開催の狙いの1つです。

数年以内に世界トップのメタバースを目指すという大規模な戦略も打ち出すなど、メタバースの成長が著しいアラブ首長国連邦。国際会議の実現で、世界でのメタバースをはじめとしたバーチャル分野での立ち位置が、大きく変わるかもしれません。

アラブ首長国連邦検察当局は、国際会議の参加者や日時・会場について発表していません。今後の詳細発表にも注目しながら、どのような話し合いが行われるのか、日本や世界にどういった影響を及ぼすのかについて目がはなせませんね。