中国政府の工信部(工業情報化部)は、関係する4省庁とともに、「メタバース産業の革新的発展に向けた3カ年行動計画」を公表しました。この計画には、2023年から2025年のメタバース産業の方針や優先課題、行動計画が記されています。
9月に公表された「メタバース産業の革新的発展に向けた3カ年行動計画」
中国で行動計画が公表されたのは、2023年9月8日です。2025年までの3年間で、世界的な影響力を持つプラットフォーム企業を3~5社、関連産業クラスターを3~5個育成することなどの政策を掲げています。また、中国の中央政府公式サイトでも、政策の解説を見ることができます。
行政機関レベルでの「行動計画」公表は初
中国の地方自治体は、2022年頃からメタバースなどに関する独自の「行動計画」を発表しています。上海や北京、鄭州などの自治体のほか、浙江省といった地方政府レベルでも、3カ年の行動計画や文書を公表。
こうしたさまざまな地域での動きとの関係は不明ですが、これまで行政機関レベルでの行動計画を公表していなかった中国が、向こう3年の行動計画を作成したのには、少なからず地方自治体の影響があるといえるでしょう。
気になる内容は
「メタバース産業の革新的発展に向けた3カ年行動計画(2023-2025年)」では、5つの優先課題に対し、14項目の行動計画が記されています。詳しい内容は、以下の通りです。
1,高度なメタバース技術と、産業システムの構築
- キーテクノロジーの統合と革新の強化
- メタバース製品供給の充実
- 産業エコシステムの相乗的な発展構築
2,3次元でインタラクティブな産業メタバースの育成
- 主要産業プロセスのメタバース化の促進模索
- 主要産業における産業メタバース普及の加速
- 産業メタバースの革新的なアプリケーションモデルの模索
3,没入的でインタラクティブなデジタルライフアプリケーションの創出
- 没入的でインタラクティブな消費生活シナリオの普及
- 虚実融合の公共サービスシナリオの創出
- スマートで安全な災害救助シナリオ支援
4,体系的で完全な産業支援の構築
- 産業標準規格の体系改善
- イノベーション支援能力の強化
- 一流のインフラ構築
5,安全で信頼できる産業統治システムの構築
- メタバースの協調的な統治システム整備
- 安全保障能力の構築強化
また、同行動計画では、メタバース以外にも通信技術やセキュリティ、ハードウェアなどの周辺分野についても言及しています。
中国企業の今後の発展に注目!
地方自治体の行動計画発表や、「メタバース同盟」設立など、メタバースに向けた取り組みが活性化している中国。どのように企業が発展し、すばらしいメタバースが構築されるのか、今後の動向にも注目しましょう。