ネット上での誹謗(ひぼう)中傷は、長年深刻な問題として取り上げられています。昨今はVTuberに向けた誹謗中傷も増加しており、VTuber事務所は対策委員会を設置するなどして、安全に活動できる環境づくりに注力しています。
問題視されている、VTuberへの誹謗中傷
ライバー、YouTuberなど、リアルな人間が登場する動画やライブ配信と並び、人気を集めているVTuber。VTuberの数や活動が増加するのに比例し、誹謗中傷も増えています。
配信中にSNSに批判的なコメントをする、ネット掲示板への書き込みや悪質なダイレクトメッセージ、グッズ商品への批判など、誹謗中傷の内容はさまざまですが、2023年には脅迫文が届いた事件もあり、対策・解決に向けた動きが早急に求められている状況です。
2021年に誹謗中傷対策委員会を設置したバーチャルエンターテイメント
人気VTuberグループ「ぶいすぽっ」などを運営する株式会社バーチャルエンターテイメントは、2021年10月に誹謗中傷対策委員会を設置しました。同年12月から2023年3月までに、対策委員会は144件の誹謗中傷に対応したことも公表されており、所属VTuberが安全に活動するための環境を用意できるよう、会社が積極的に取り組んでいることがわかります。
連携の目的は?
そんなバーチャルエンターテイメントと連携した株式会社viviONも、「あおぎり高校」などのVTuberグループを手がける会社です。同社は2023年11月2日、所属VTuberやクリエイター、従業員の権利を守り、事業を円滑に推進するための「誹謗中傷対策委員会」を設置し、同時にバーチャルエンターテイメントとの連携も発表しました。
viviONの対策委員会設置にあたり、バーチャルエンターテイメントは、およそ2年間に蓄積した誹謗中傷行為への対策やノウハウの共有・伝達を行います。viviONはもちろん、バーチャルエンターテイメントも連携により、今後現れる恐れのある新たな誹謗中傷行為に、よりよい対策を施せるのではないでしょうか。
安全で快適なVTuber活動に向けて
ネット上での誹謗中傷が命を奪うなど、痛ましいニュースがあってもなお、攻撃的な行為は止むことがありません。viviON誹謗中傷対策委員会の設置により、今後、同事務所のVTuberがより安全な環境で快適に活動できることに期待したいですね。
VTuberへの誹謗中傷は、「中の人」が対象なのか「キャラクター」に向けたものなのかという点で、対策が難しいこともありますが、各社の連携で、クリエイター、VTuberへの誹謗中傷が減少することを願うばかりです。