VRChatで人気の「飲み」ワールドと新潟県の夜市。リアルとバーチャル空間をつなげる、実験的な企画が行われました。
VRChatの人気ワールド「ポピー横町」
実験の舞台となったのは、VRChatワールド「ポピー横町」です。ここは毎晩、多くの人で賑わう酒場ワールドで、思い思いのアバターで集まったユーザーたちがお酒を片手にさまざまな話に花を咲かせています。
さまざまな企画に取り組む、古町夜市
バーチャル空間に作られた酒場空間「ポピー横町」とつながったのは、新潟県古町の夜市。1980~90年代に盛り上がりを見せた古町の「西堀ローサ」という地下街を盛り上げることを目的に、日々さまざまな企画を行っています。
古町は新潟の文化発祥の地として、飲食だけでなくアートや音楽、ファッションなど、幅広い年齢の人に親しまれており、そこで行われる夜市も、独特の雰囲気を持った場所だといえます。
リアルとメタバースがつながった日
そんな古町夜市とポピー横町は、10月14,15日に実験的な企画を行いました。古町夜市では飲食店にプロジェクターが用意され、ポピー横町の様子を映し出します。ポピー横町でも、バーチャルのスクリーンで古町夜市に集まった現実の人々の様子を見ることができ、「リアルとバーチャル」の住人たちが時間を共有しました。
お互いの様子は分かるものの、声や音声は聞こえません。しかし、どちらの世界でも画面の向こうに存在する人やアバターに向かって手を振ったり、話しかけたりする様子が見られました。画面越しに乾杯する、画面の向こうの世界を気にしてスクリーンを見に来るなど、それぞれの世界での飲み会を楽しみながらも、異なる空間にいる相手も意識する姿はリアル、バーチャルともに見られ、参加者はこれまで体験したことのない一体感を得られたようでした。
今回の実験的な企画は、音声での会話ができないなかでもコミュニケーションが可能なこと、生身の人間とアバターが時間や空間を共有する楽しさがあることなどを、証明したといえます。
「リアル×メタバース」の新たな取り組みに注目!
古町夜市ではこれまでも、映像を用いて現実世界とメタバースを中継するという企画が行われてきました。「リアル×メタバース」は、MR技術の向上で、今後より進歩していくのではないでしょうか。
リアルとメタバースの融合による、魅力的な企画や、多くの人の役に立つ技術の登場に、期待したいですね。