イギリスのグラスゴー大学と2法人は、スコットランド国立博物館のバーチャル化を行うことを明らかにしました。イギリス政府の研究開発振興プログラムに採択された同プロジェクトには、政府から560万ポンド、日本円にして約10億円が支援されます。
「展示は10%未満」課題の多いスコットランド国立博物館
スコットランド国立博物館の歴史は古く、1780年のスコットランド考古協会の設立時まで溯ります。現在の入り口は1864年、さらに新しいビルは1998年に完成しています。建物全体の美しさも必見です。入館料は無料で、数多くのスコットランドの歴史や文化、民族に関する資料を展示しています。
今回、スコットランド国立博物館のバーチャル化に向けた取り組みを行うグラスゴー大学によると、博物館の収蔵品のなかで展示されているのは、全体の10%未満とのこと。また、現地へアクセスできる人も限られており、歴史的な展示物を目にできる機会は少ないといいます。
「バーチャル博物館」の制作に関わるのは…
スコットランド国立博物館のバーチャル化を進めるのは、同博物館とグラスゴー大学内のハンタリアン博物館、スコットランド歴史環境局です。また、VR教育サービスを運営するEdifyも協力し、「バーチャル博物館」制作に着手します。
政府が支援した560万ポンドは、グラスゴー大学のVR研究の確立、学習者や学芸員の機会の創出、さらにイギリスのイノベーションと文化の発信に役立つと、イギリス科学技術革新省大臣はコメント。製作費や技術面などの理由から実現しなかった、スコットランド国立博物館のバーチャル化が、イギリス政府のサポートのもと実現することに、期待を寄せています。
バーチャル環境がもたらすメリット
スペースの制限がないバーチャル環境に博物館を作れば、多くの収蔵物の展示が可能です。また、距離や費用の問題からアクセスできなかった遠方の人も、自宅などから気軽にバーチャル空間にアクセスでき、スコットランドの歴史や文化に触れられます。世界のどこからでも体験できるバーチャル空間は、学びはもちろん、歴史・文化の研究にも役立てられるでしょう。
豊かで楽しいストーリーテリングの構築は、熟練のスタッフが担当。最先端の技術と機器を用い、高品質な制作物の完成を目指します。
バーチャル博物館の完成が待ち遠しい!
グラスゴー大学などと共同で行われるスコットランド国立博物館のバーチャル化プロジェクトは、イギリス政府の支援のもと、素晴らしい空間の完成が期待されます。VRを活用した博物館、美術館の展示は多くありますので、魅力的なコンテンツを楽しみながら、続報を待ちましょう。