甲府市は、ひきこもり支援の一環として、メタバースに相談窓口を開設しました。利用者は匿名で、専門家への相談などが可能です。
「甲府市メタバース 心のよりどころ空間」とは
「甲府市メタバース 心のよりどころ空間」は、甲府市がひきこもり支援施策として開設したメタバースです。プラットフォームはNTTコノキューの「DOOR」を使用しており、利用者は美しい森のなかにあるルームで、相談などができます。
取り組みの背景
甲府市福祉保健部によると、甲府市内には把握できているだけでも128名のひきこもりが存在し、そのうち約71%は40~60歳とのこと。この結果を受け、ひきこもり当事者の生活を支える親世代の高齢化により、社会的に孤立してしまう可能性が高い世帯が多くあると、同市は指摘しています。
また、調査によって、ひきこもりの家族が相談をためらっていること、できれば周囲に隠しておきたいと考えていることも分かりました。そこで同市は、「アバターでコミュニケーションを取れるメタバースであれば、本人や家族も相談しやすくなるのでは」と考え、今回の取り組みに至りました。
完全予約制の2つのルームを用意
「甲府市メタバース 心のよりどころ空間」は、森のなかの建物に、清潔感あふれる2つのルームを用意しています。希望者はこのルームで、1回50分まで、精神保健福祉士への相談が可能です。なお、相談は完全予約制です。
メタバースには誰でも入場でき、ひきこもりについての情報や相談方法を閲覧できます。ルーム内には相談予約へのリンクも用意されています。予約フォームでは日程選択のほか、名前やメールアドレス、電話番号の入力が必要です。住所の入力は不要なので、甲府市以外からの相談もできるようです。
気になる方は、甲府市精神保健課のページから、詳細を確認してください。
全国各地のメタバース活用に注目
ひきこもりや不登校など、さまざまな悩みを抱える人の相談窓口、コミュニケーションの場として、メタバースを利用する事例は増えています。今後もこうした取り組みは、徐々に広がっていくのではないでしょうか。
自治体のメタバース活用にも、注目していきましょう。