脳外科医のシミュレーションにVRを。ATLASが提供

ATLASは、VRを活用したシミュレーションツールの開発・提供を行っています。同社の「Omniverse」は、バーチャル空間での手術シミュレーションで、外科医の技術力向上や手術プランの確認に貢献します。

脳神経外科医向けのコンテンツを提供するATLAS

NPO法人ATLAS（Neurosurgical Atlas）は、脳神経外科向けの教育研修コンテンツの開発・提供を行う団体です。会員向けに配信される教材は、手術動画や神経解剖図、3Dモデルなど多岐にわたり、約7万人の会員が日々のトレーニングに活用しています。

ATLASの教材は、年間130万人の患者のケアに影響を与えているといわれており、脳神経外科分野には、欠かせないものだといえるでしょう。

「Omniverse」を使ったシミュレーションを開発

ATLASは、開発・提供するバーチャル手術シミュレーションに、NVIDIAの3D コラボレーションツールを使用しています。「Omniverse」と呼ばれるコラボレーションツールは、さまざまなデータを統一したフォーマットで共同利用できるもので、医療分野だけでなく都市景観、工業製品といった、幅広いジャンルのデジタルツイン作成にも使用されているものです。

このほかにも、ATLASは研究開発の際に、NVIDIAのソフトウェア製品を積極的に活用しています。

手術を繰り返しリハーサルできる

「The Atlas Pathfinder」にはAIによる物理シミュレーションも実装されており、これにより脳組織の変化のリアルな再現が可能です。医療器具の使用により、脳組織がどのように変化していくのかを、ビデオよりも鮮明に、そして実践的に学べる教材は、医療関係者の技術向上に大きく貢献しています。

進化する、医療現場でのVR

ATLASは現在、MRIなどで実際にスキャンした画像から、正常部位と腫瘍を自動で見分ける機能を開発中です。結果は患者の脳を再現した3Dモデルに反映され、より精度の高い手術実現に役立ちます。

医療現場でのVRを使ったトレーニングは、年々進歩しています。何度も学べるツールを活用し、現場で活躍する人材が1人でも多く生まれることに、期待しましょう。