就労支援事業所のパーソルネクステージ株式会社は、障害者の就労支援に、VRコンテンツを導入することを発表しました。新たなコンテンツは、どのような効果をもたらすのでしょうか。
パーソルネクステージが抱える課題
2020年設立のパーソルネクステージ株式会社は、指定就労継続支援A型事業所として、障害者の日常生活や社会生活を総合的に支援する業務を行っています。本社オフィスのある東京のほか、静岡県に1カ所、中国・四国・九州地方に9カ所のオフィスを構えており、パソコンでの業務を中心に、さまざまなスタイルの仕事の支援ができる環境を提供中です。
同社によると、サービス利用者の8割は精神障害を持った人で、パソコンを使った業務を担当することが多いとのこと。在宅ワークと通所による就労は選択可能ですが、業務中に感情コントロールが難しくなる、仕事中の不安感や集中のしすぎによって、過度な疲労感を抱くといった課題があるといいます。
導入される「BiPSEE Cog Flex」
今回、導入が発表された「BiPSEE Cog Flex」は、精神障害者の感情コントロールに役立つコンテンツです。視聴覚の注意トレーニング、心理的不安を軽減するための呼吸法の実践など、複数のステージが用意されており、就労中に起こりやすいトラブル緩和に貢献します。
VRコンテンツを手がけたのは、2017年創業のBiPSEEです。同社は「こころを支えるVRデジタルソリューションを創り出す」というビジョンを掲げ、子どもの快適な治療をサポートする医療XRをはじめ、さまざまな取り組みを行っており、2020年からは高知大学との共同研究もスタートしました。医療機器承認を得られるVRコンテンツを目指し、熱心に取り組む様子が注目を集めています。
VRで就労者の悩みを緩和
「BiPSEE Cog Flex」で体験する3D空間は、海中や森がモチーフの、ゆったりとしたものです。体験者はVRの利用で、仕事中に発生する感情面での悩みを緩和し、集中して業務に取り組めるよう工夫されています。
コンテンツは、仕事とプライベートの時間の切り替えや、業務開始前、休憩終了前に気持ちを整えて集中力を高めたいときなどの利用を想定しています。かわいらしい生物の住む海や、心を穏やかにしてくれる自然の風景、癒しを感じる波や風の音で、視覚・聴覚から心の平穏を取り戻せるのではないでしょうか。
導入による効果の発表にも注目!
BiPSEEの「BiPSEE Cog Flex」を、パーソルネクステージで導入するという発表があったのは、2023年10月20日です。継続的なVR導入で、利用者の就労環境や心境にどのような変化が生じたのかは、いずれかの企業から発表される可能性が高いといえます。
今後の情報にも、注目していきましょう。