医療や観光などにメタバース・XR技術を導入するケースは、メタバースニュースでも多くご紹介してきました。仮想空間での技術トレーニングや、自宅にいながらできる観光体験の効果が期待されるなか、国内ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。
メタバース注目企業|メディカロイド
川崎重工業とシスメックスの合弁会社であるメディカロイド社は、2020年に初の国産手術支援ロボットを実用化。同年12月には前立腺がん手術にロボットが用いられ、確かな実績を上げています。手術支援ロボットは、内視鏡カメラと手術器具、4本のロボットアームで構成されており、医師は3D画像を見ながら、アームをコントローラーで遠隔操作の手術が可能です。
アステラス製薬
アステラス製薬は、メタバースを情報提供の場として活用し、「仮想空間上での研究会・講演会」を試験的に実施したり、仮想世界と現実世界を融合させた、新たなコミュニケーション手法の構築を実施。同社は、双方向のコミュニケーションが可能なメタバースが、遠方にいながらも現場とのリアルなコミュニケーションを再現できると確信、よりよい活用法を研究しています。
あしびかんぱにー
沖縄発のメタバース「バーチャルOKINAWA」をリリースしたことで知られる、あしびかんぱにー。VRChatから入れる「バーチャルOKINAWA」は、国際通り商店街や美しい沖縄のビーチ、首里城、ひめゆりの塔など、さまざまな観光名所を再現した空間です。バーチャル空間を活用したイベント「OKINAWA JAPAN VIRTUAL FES」の会場にも使用されており、公開から現在まで、多くのユーザーに親しまれています。
国土交通省
国土交通省も、まちづくりのDXプロジェクト「Project Plateau」などで、メタバースコンテンツを構築・提供し、実証試験を行っています。2021、2022年にはメタバースによるバスツアーを行い、横浜のみなとみらい地区を3Dモデルで再現しました。現在も協力企業の力も借りながら、定期的にメタバースを用いた国内各地の観光体験を実施し、その効果を検証中です。
医療から観光まで、幅広いニーズに応えるメタバース
メタバースの使い方は1つではなく、ニーズの数だけ活用方法があるといっても過言ではありません。医療、観光業界でも、これまで斬新なアイデアでさまざまなコンテンツが登場していますが、今後もいままでにない魅力的な体験や技術の登場が期待されます。メタバースの幅広い活用法に、注目していきましょう。