少年の頃は、宇宙飛行士に憧れる人も少なくないでしょう。宇宙での生活にはさまざまなストレスも伴います。そんな宇宙飛行士のメンタルをケアするVRコンテンツを備えたVRヘッドセットが、国際宇宙ステーションの補給ミッションで宇宙へと飛び立ちました。
宇宙飛行士が抱えるストレスは少なくない
地球から離れ、優雅に無重力空間を浮遊するというイメージの宇宙飛行士は、夢や希望の詰まった職業の1つです。しかし、実際は慣れない土地での長期滞在、狭い空間での孤独感など、精神的な負担が大きい仕事だといえます。さらに宇宙ステーション内は、さまざまな機器の騒音やアラームも鳴り続けており、落ち着いた環境とはいえません。
そんななかで、多くの実験計画をこなし、無事に地球に帰還しなければならない宇宙飛行士が抱えるストレスは、計り知れないものがあるでしょう。
宇宙での使用も可能な「VIVE Focus 3」
宇宙での滞在期間に受けるストレス緩和のために、HTCは宇宙空間でも利用可能な「VRセラピーシステム」や、宇宙での使用に向けた技術的な課題に対応したVRヘッドセット「VIVE Focus 3」を開発しました。
宇宙空間はほぼ重力がなく、VRヘッドセットのセンサーが正しく作動するには難しい環境です。また、VR酔いも引き起こしやすく、コンテンツ体験に影響を及ぼします。
そこでHTCは、運転シミュレーターやVR体験施設などでも使用されている、トラッキング技術に注目しました。技術の応用により、コントローラーの位置情報を参照し、無重力でも位置合わせがしやすいように改良しました。
複数のコンテンツでメンタルケアを
「VIVE Focus 3」で体験できる、宇宙飛行士のメンタルケアコンテンツは、複数あります。美しい夕日を眺めたり、ヨーロッパの街並みを自由に散策したりという体験コンテンツは、宇宙飛行士の瞑想(めいそう)やリラクゼーションを手助けし、メンタルケアに貢献します。
宇宙飛行士は、VRヘッドセットを装着して仮想空間に入り込むことで、過酷な環境から離れたつかの間のリラックスタイムを堪能することができるのでしょうか。
XRは大気圏をも超える
エンタメから医療、教育まで、幅広い業種で活用されるXR技術は、ついに大気圏を越え、宇宙で活躍する人たちの支えとして活用される時代を迎えました。地球上でも、宇宙飛行士のVRトレーニングに利用されているHTCが、宇宙でも役立つことに期待したいですね。