チェコのVRヘッドセット開発企業が、航空訓練向けのVR/MRヘッドセットを発表しました。今後、米国海軍をはじめ、一部のパートナーに向けて販売を開始します。
開発・販売を行うのはVRgineers
VR/MRヘッドセット「XTAL 3 CAVU」を発表したのは、チェコのVRヘッドセットメーカーVRgineersです。同社は2017年設立の起業で、企業や軍事向けの「XTAL」というヘッドセットシリーズを開発・販売しています。
「XTAL」の用途はフライトシミュレーターなど、高解像度で広視野角が求められる内容がメインで、すべての製品がアメリカのTAA人認証を取得しているのも特徴です。
企業・軍事向け「XTAL 3 CAVU」
米軍など、セキュリティ水準の高い組織での導入実績も豊富な「XTAL」シリーズ。その最新機種となる「XTAL 3 CAVU」も、企業や軍事向けに開発されたデバイスです。製品名の「CAVU」は、航空用語「Ceiling and Visibility Unlimited」で、日本語では「視界良好」を意味します。その名の通り、パイロットの航空訓練を想定し、最適化された製品となっています。
パートナー向けの販売を想定
半導体メーカーで有名なAMDのFPGAボードを採用し、GPUにNVIDIAの最新製品「Quadro RTX A6000」を用いた「XTAL 3 CAVU」は、MR画像を1ミリ秒単位で高速処理することができ、GPU側はVRの表示処理に特化できます。高性能に加え、消費電力とレイテンシーの大幅な低減を実現しているのも、「XTAL 3 CAVU」のメリットだといえます。
完成した製品は、一部パートナーに向けて販売され、一般向けの販売は行われません。販売先として想定されているのは、米国海軍などです。航空訓練が必要な組織のなかで、新製品はよりよい訓練実現に、どのように貢献するのでしょうか。
より安全で高精度な訓練の実現に向けて
VRgineersが発表した最新のVR/MRヘッドセット「XTAL 3 CAVU」は、航空訓練に最適化された性能を持った製品です。2024年以内に、米軍をはじめとしたパートナーに向けて販売を開始し、各種訓練に利用されます。
XR技術を活用した訓練は、安全かつリアルに現場を体験でき、訓練にかかるコスト削減にもつながります。より高精度なヘッドセットで、従来よりさらにリアリティの高い訓練が実現できれば、現場での活動にも反映されるでしょう。
新製品のスペックや期待できる効果、訓練の事例なども、追ってご紹介します。