前回は、英語学習にメタバースを活用するメリットを紹介しました。今回は、実際にメタバースによる英語学習を導入した事例を見ていきましょう。
メタバース導入事例①中央大学
中央大学(本部・東京)では、あるゼミでメタバースを活用した英語学習の研究を実施しました。研究には「VR言語学習教育プラットフォーム」を提供するImmerse Inc.が協力し、英語が得意な上級生が、レッスンカリキュラムを考案。下級生に、レッスンを提供しました。
研究の結果、教えられる側だけでなく教える側にもよい影響をもたらし、下級生の満足度は5点満点中4.6点でした。ゼミ内ではその後も「メタバースにおけるVR言語教育」発展に向けた研究が継続的に行われており、今後の研究結果が注目されています。
②浦和学院高等学校
埼玉県の浦和学院高等学校では、留学を目前にした生徒の事前学習に、メタバースを採用しています。生徒はVRヘッドセットを装着し、仮想空間内でさまざまなシチュエーションを体験します。
空港でのチェックインや、ホームステイ先での会話、さらにファストフードショップでの注文など、留学先で遭遇するシチュエーションを多く用意しており、現地で「役に立つ」英語力を身につけてから海外に行くことが可能です。
メタバースでの英語学習により、学習中にボディランゲージを活用する生徒も増えたといいます。
③鹿児島大学教育学部附属小学校
鹿児島県の鹿児島大学教育学部附属小学校では、英語の授業内での導入として、メタバースを活用しています。児童はタブレットやスマートフォンからメタバースにアクセスし、フードコートでの接客、スーパーマーケットでの買い物などを体験します。
メタバースでの英会話体験は、児童が授業内容へスムーズに移行するのに有効です。授業ではなかなか発言できない子どもも、アバターを介したコミュニケーションでは積極的に発言する姿が見られ、児童からは「授業が楽しくなった」という声も上がっています。
④中京テレビ×Glats
中京テレビと、オンライン英会話スクールGlatsは、メタバースで生徒と講師が交流するフェスを、過去に2度開催しています。第1回開催時には、英会話を題材にした○×クイズやなぞなぞなど、ゲーム形式で英語を学べるオンライン授業を実施。第2回では、メタバース内で複数の企画を同時開催し、参加者は興味のあるコンテンツを自由に楽しみました。
イベント参加者の年齢は5歳から60歳までと幅広く、どの年代からも高評価を得ています。
増える!メタバース導入事例
メタバースは幅広いジャンルに活用できますが、英会話学習における導入事例も増加しています。楽しく、効率的に英語力をアップさせられるメタバースでの学びを通し、多くの人が英会話を「難しくないもの」と捉えられるようになることにも、期待したいですね。