災害時に、被災者の精神的な居場所を提供してくれるメタバースに、α版が登場しました。居場所提供型メタバース「Minna」といい、1月1日に発生した能登半島地震の被災者にへの無償提供に向けた実証試験も実施します。
居場所提供型メタバース「Minna」
「Minna」は、bring up株式会社(名古屋市)が開発する「居場所提供型メタバース」を活用した新たなサービスです。リリースしたのは、一般社団法人 日本福祉協議機構が運営する就労継続支援B型事業所「UNIBO」で、災害によって居場所がなくなってしまった被災者に、心のよりどころを提供します。
仮想空間で被災者の孤独感や心の不調をケア
一般社団法人 日本福祉協議機構は、これまでも「居場所提供型メタバース」を活用し、不登校や引きこもり支援を実施してきました。1月1日に発生した能登半島地震のあとには、震災の影響で学校に行けなくなった子どもや、受験をひかえ勉強ができなくなった学生、集団避難で家族と離れ離れになった児童など、さまざまな悲惨な状況が出現しました。
心のケアが足りていない人や、災害で居場所をなくしてしまった人たちに届けたいという思いで制作したのが「Minna」です。
遠隔での被災地支援にも貢献
メタバース内ではアバターを使って、他ユーザーとのコミュニケーションを体験できます。ロビーのパソコンから、自由なコミュニケーションが可能で、教室ではライブ授業のサポートなどにより、遠隔での学習支援を実現します。
また、「心の保健室」では心のケアを専門とするスタッフにより、メンタル面の本格的なサポートもでき、支援者が被災地から離れた場所にいても、被災者の手助けができます。
「Minna」はα版リリースに伴い、能登半島地震の被災者に無償でサービスを提供できるよう、石川県の学生と実証試験も開始しました。孤独とたたかう多くの人を救うサービスとなるよう、細やかな配慮をしながら、被災地で本格活用できる日を目指します。
今後の情報にも注目しよう
被災者の心のケアやよりどころを提供する「Minna」は、現在実証試験中です。被災地の1日でも早い復興を願うと同時に、さまざまな悩みを抱える人のよりよいサポートに貢献するサービスの進歩にも期待したいですね。