メタバースを活用した就職説明会などが増加していますが、就活相談・支援を行うハローワークも、メタバースに登場しました。アバターを使った就活は、就職相談のハードルを下げ、気軽に利用できます。
深刻化する、若者の完全失業率
コロナ禍を機に、オンラインを活用した就職説明会や面接の導入も加速し、自宅などから遠方の企業にアクションしやすい環境が整ってきています。しかし、総務省統計局の「労働力調査」によると、若者の完全失業率は15~24歳で4.3%、25~34歳で3.5%。全年齢平均の2.5%と比較し、若者世代の完全失業率が高いのは、深刻な問題の1つです。
「バーチャルわかものハローワーク」をオープン
大阪労働局は、国内最大級のメタバースプラットフォームclusterを運営するクラスター株式会社(東京都品川区)協力のもと、2月に「バーチャルハローワーク」をオープンしました。cluster内に開設された空間では、アバターを使って就活相談や支援が受けられます。
空間内には入り口となるエントランスエリア、ハローワークの求人情報や職業興味検査、職業訓練など、就活に役立つ情報を収集できるインフォメーションエリア、職員アバターに就活相談ができるグランドホール、グループワークができるトークサロンなどが用意されています。
また、就活に役立つ動画視聴ができるシアターや、星空のもとで企業説明会やセミナーなどのイベントに参加できるスカイステージ、メタバースならではの空間演出を生かし、就活をより楽しく感じられる工夫を凝(こ)らしたエリアもあります。
メタバースを活用する魅力
就活にメタバースを活用するメリットは、大きく2つあり、1つは場所を選ばないオンライン環境です。パソコンやスマホなどがあれば、自宅や学校など、好きな場所からアクセスできるので、相談や説明会への参加が、より気軽なものになります。
もう1つは、アバターを使った匿名性の高さです。就職支援を受けたくても、対面でのコミュニケーションが苦手で、なかなか踏み出せないという人は少なくありません。メタバースはアバターの使用により、電話よりも身近で、対面やオンラインでのビデオ通話よりも「対話」への抵抗感を軽減した環境を実現します。匿名性を保ったまま相談できるので、より本音に近い思いを相談員に伝えられますし、緊張を緩和させながら不特定多数の人との交流もできるでしょう。
社会課題解決に貢献できる?効果に期待!
新たに登場したメタバースのハローワークは、魅力的な空間構築によって、2つのメリットをもたらす可能性があります。深刻な社会課題の1つとされる若者世代の完全失業率回復に貢献するのでしょうか?
就活へのメタバース活用事例にも、注目していきましょう。