株式会社杉孝（横浜市）は、株式会社積木製作（東京都墨田区）と共同で、メタバースでの足場組み立て・解体体験ができる教育コンテンツを開発しました。2024年3月1日より提供を開始した同サービスは、現場でより生きる安全教育の実現に貢献します。

「メタバース体感教育」とは

「メタバース体感教育」は、メタバース空間で、クサビ緊結式足場の組み立てや解体を体験できるコンテンツです。VRヘッドセットを装着し、コントローラーを持ちながら、仮想空間で足場の組み立てや解体の安全に関する知識を、体験を通して身につけられます。

開発したのは杉孝と積木製作

コンテンツを開発したのは、仮設機材レンタル事業を行う株式会社杉孝と、建築系のCGやVRコンテンツ制作で知られる積木製作株式会社です。2社は、2023年夏と冬に開催された、建設DX展でも、開発途中だった「メタバース体感教育」のデモ体験を実施し、来場者およそ230名が、同コンテンツを実際に利用しました。

同時にヒアリングも行い、その結果をもとに、安全帯の使用に関する機能や振り返り機能を追加しました。さらに、操作性を改善するなど、プログラムの改良を行い、リリースに至りました。また、より鮮明でスムーズな映像体験提供のために、使用デバイスをMetaQuest2から、最新のMetaQuest3に更新したのも、大きな特徴です。

メタバース教育のメリット

昨今、建設現場では、人手不足が深刻視されています。人員が足りないことにより、足場の組み立てや解体における技術の継承、安全確保が容易ではなくなってきているのも事実です。

メタバース教育を活用すれば、遠隔地にいながら、また天候や場所に左右されることなく、安全で効率的な足場の解体方法や機材の特徴に関する知識・技術が習得できます。メタバース内では、株式会社杉孝の足場安全担当者が講師となり、受講者に直接指導することが可能です。

建設業界への貢献なるか

足場の組み立て・解体を安全に行うための知識や技術を効率的に習得できる「メタバース体感教育」は、最大5名が、およそ2時間で学べるコンテンツです。さまざまな建設関連企業が同サービスを活用し、現場で役立てることに期待したいですね。