有馬温泉、草津温泉とともに「日本三名泉」に数えられる岐阜県の下呂温泉を体験できるメタバースの制作が進んでいます。空間構築を行っているのは、県内の女子大学に通う学生たちです。
「メタバース下呂市」とは
「メタバース下呂市」は、下呂の温泉街の街並みを再現した空間です。足湯や神社、洋菓子店が販売する人気商品なども見られます。
下呂市の活性化に向けてメタバースを構築しているのは、岐阜女子大学の学生たちです。岐阜女子大学「メタバースクラブ」のメンバーは、「メタバースに学びの世界を」をテーマに、3カ年で観光DX、教育DXなどを学ぶ、「岐阜女子大学メタバースプロジェクト」を実施しており、令和4年度にメタバースに下呂温泉を作成しました。
また、翌令和5年度には作成したメタバースを多言語化し、令和6年度は下呂市内での現地実習で観光情報を収集し、メタバースのさらなる充実化を図る予定です。
外国人の体験も視野に入れた、さまざまなコンテンツ
温泉街を再現したメタバースには、外国人の体験も視野にいれたコンテンツの工夫が凝(こ)らされています。宿泊施設内での過ごし方や、入浴時のマナーなどを多言語で説明する看板などを施設内に用意するケースも少なくありませんが、メタバースならリアルな宿泊・入浴体験を通して、さまざまなマナーをわかりやすく学べます。
細部にまでこだわって再現された街並みは、実際に旅行に出かける前に、どのようなお店やアクティビティがあるのかを知るための材料にもなるでしょう。
下呂市の旅館「水明館」も再現
ホテルや旅館が建ち並ぶ「メタバース下呂市」の見どころの1つが、「水明館」です。昭和7年創業の水明館は、飛騨川を見下ろせる高級旅館で、洗練された和洋室のほか、純和室や露天風呂つきの客室などもあります。
温泉街のなかでも高い人気を誇る水明館は、内部のロビーも再現されており、高級感あふれる館内をリアルに体験できます。現在、浴場も制作中で、今後は水明館でのバーチャル入浴体験も可能になる予定です。
メタバース観光体験を楽しもう
岐阜女子大学の学生が制作中の「メタバース下呂市」は、完成に向けて下呂市内での体験会などを繰り返しています。一般公開を楽しみにしながら、さまざまな地域のメタバース観光を体験するのもよいのではないでしょうか。