少子高齢化が進み、認知症患者も増加傾向にあります。株式会社朝日新聞社(大阪市)は、VRを活用した小学生向けの認知症講座を開始しました。
朝日新聞社が提供する「認知症フレンドリー講座ジュニア」
朝日新聞社は、創刊140周年記念事業を機に「認知症フレンドリー事業」を立ち上げました。その一環である「認知症フレンドリー講座ジュニア」は、小学5.6年生を対象とした講座です。
子どもたちが楽しく、そしてわかりやすく学べる講座を実現するため、ワークショップ型を導入した同講座は、子どもたちが認知症の人の思いを正しく知り、地域の高齢者を温かく見守る街づくりに貢献します。
講座の特徴
VRを活用した「認知症フレンドリー講座ジュニア」の特徴は、以下の通りです。
- ストーリー性のある講義内容
- 体験や意見交換、発表による参加型の展開
- 子ども専用のVR体験
- 認知症の人のリアルな声を聞く「本人インタビュー」視聴
- オリジナルのアニメーション視聴
- イラスト豊富な「公式テキスト」の配布
子どもが興味を持って、そして楽しみながら参加できるよう、ストーリー性にこだわっており、意見を出し合ったり体験したりしながら、講義を展開します。わかりやすいテキストやアニメーションだけでなく、実際に認知症を診断された人の思いを知ってもらうためのインタビュー映像も用意しており、認知症がどのようなものかだけでなく、認知症になった人はどういった思いで生活しているのかという部分まで、理解を深めます。
大人向けの「認知症フレンドリー講座」も
「認知症フレンドリー講座ジュニア」は、小学校高学年を対象としたものですが、朝日新聞社では、同じくVRを活用した大人向けの「認知症フレンドリー講座」も実施しています。
「本人の思い」に寄り添い、国連が提唱するSDGsの理念の1つ、「誰も置き去りにしない」に沿った取り組みを実現するための講座は、認知症の理解とともに、参加者に「未来の自分も当てはまる可能性がある」という思いを芽生えさせ、多くの人が住みやすい街づくりに向けた1人ひとりの意識改革につながるのではないでしょうか。
よりリアルな体験で理解を深めよう
朝日新聞社が提供する、子ども向けの「認知症フレンドリー講座ジュニア」は、団体受講を前提とした講座です。大人向け講座とのセット開催も可能ですので、地域のイベントとして検討してみるのもよいでしょう。
近くで講座が開講される際には、ぜひ参加してみてください。