活用の幅が非常に広いメタバースは、観光業との相性が非常によいといえます。今回は、ホテルや観光事業を行う企業が、メタバースをどのように活用しているのかを紹介します。
ホテル・観光業のメタバース進出例①ANAホールディングス
ANAホールディングスは、2023年12月にバーチャル旅行プラットフォーム「ANA GranWhale」をリリースしました。スマホ向けメタバースである「ANA GranWhale」では、アバターを操作しながらイベントやコンテンツの体験ができます。
メタバース内では2つのサービスを提供しており、「V-TRIP」では、360度写真をもとに制作された、国内外の名所の景色が楽しめます。また、「Skyモール」では、さまざまな企業ブースを回って、EC機能を活用したショッピングが可能です。
②HIS
HISはこれまで、メタバースを活用した、以下のような取り組みを実施してきました。
- スマホ向けメタバース「REALITY」に、「HISトラベルワールド」オープン
- VRによる体験型世界一周旅行説明会
- 店舗へのVRゴーグル設置
「REALITY」内にオープンした「HISトラベルワールド」では、アバターを使ってハウステンボスや沖縄、ハワイの旅行体験ができます。2022年6月にオープンしたワールドには135万人が来場し、2023年2月に期間限定で再オープンしました。
VRによる体験型世界一周旅行説明会は、飛行機のファーストクラスをモチーフにした会場で、VRゴーグルを使ってさまざまな国や場所を訪れる体験を提供するもので、将来の旅行計画を立てるための情報源として重宝されました。
また、HISは関東地区の複数店舗にVRゴーグルを導入し、旅行希望者が360度映像で、海外のホテルの様子などを確認できるサービスなど、リアルな旅行体験につながる取り組みに積極的です。
③Marriott
世界最大規模のホテルチェーンとして知られるMarriottも、早い時期からメタバースに参入しています。スペインの「マドリード マリオット オーディトリアム ホテル」は、デジタルツインでメタバースにホテルやカンファレンスセンターを再現しています。
メタバースは、ホテルへの宿泊検討時に活用されます。ゲストはヘッドセットを使って施設内を自由に見学でき、実際に宿泊する際も、メタバースでホテルのレイアウトを現地で説明してもらう手間が省けます。
メタバースを活用したさまざまな取り組みに注目!
観光業・ホテル業にメタバースを導入することで、体験者はこれまで候補になかったさまざまな場所へも「行ってみたい」と感じる可能性が高まります。コロナ禍と比べて国内外への旅行の規制がなくなった昨今ですが、事前のリサーチや新たな旅行の形として、今後もメタバースが活用されることに期待したいですね。