株式会社ジョリーグッド(東京都中央区)が、介護現場で役立つ新たなVRコンテンツをリリースしました。「認知症ケア支援VR」では、3つのテーマを体験できます。
ジョリーグッドと大塚製薬による「FACEDUO(フェイスデュオ)」
「FACEDUO」は、ジョリーグッドと大塚製薬株式会社(東京都千代田区)が開発した、VRトレーニングプログラムです。これまで、以下のようなコンテンツを提供してきました。
- ソーシャルスキルトレーニングVR:社会生活のさまざまな場面を練習できるプログラム
- ひきこもり家族支援VR:ひきこもり当事者の家族に、社会参加を促す際に有効な対応方法を提供するプログラム
- 感情認知トレーニングVR:良好な人間関係を築くスキルを育てる
今回リリースされた「認知症ケア支援VR」も、「FACEDUO」内のコンテンツです。
9月10日より「認知症ケア支援VR」の提供を開始
2024年9月10日にリリースされた「認知症ケア支援VR」は、VRを通して介護士や認知症の家族など、介護に関わる人が、認知症当事者の気持ちや行動の背景を知り、具体的な対応を学ぶコンテンツです。専門医監修の体験型トレーニングで、対応の工夫を学び、介護者の精神的な負担の緩和を目指します。
認知症介護ネットワークの2018年「認知症の家族等介護者支援に関する調査研究事業報告書」によると、認知症当事者の家族などの介護者のなかで、介護における精神的負担を「やや感じる」と回答した人は全体の44.0%、「強く感じる」人は42.9%でした。身体的・経済的な負担を上回るメンタル面の問題は、高齢化に伴う認知症当事者の増加に伴い、より深刻化しています。
コンテンツは3つのテーマで構成
介護者の負担軽減を目指して誕生した「認知症ケア支援VR」は、以下の3つのテーマで構成されています。
- 認知症の症状の理解
- 認知症の方の気持ち・行動の理解と工夫
- リラックスVR
まず、介護者が戸惑った場面を家族目線で体験し、症状の理解を深めます。次に、認知症当事者と接するなかで難しさを感じる場面を体験し、当事者の気持ちを理解した対応を学びます。そして、「リラックスVR」では、リラックスを重視して作られたVR空間で呼吸法を用い、心身ともにリラックスできる体験によるストレス軽減を図ります。
認知症への理解を深め、適切な行動を取れるような教材としてはもちろん、介護者の精神的な負担を軽減できる内容も盛り込まれた「認知症ケア支援VR」は、現在1.2の内容をお試し体験中です。12月の正式リリース時には、リラックスVRも追加されます。
VRが介護負担の軽減に貢献?
VRで認知症への理解を深める「認知症ケア支援VR」は、介護の精神的な負担軽減に役立つのでしょうか。お試し体験、そして正式リリースで、体験者にどのような効果をもたらしたかにも、注目しましょう。