不登校小中学生の増加は昨今、深刻な問題として取り上げられる機会も多く、解決に向けた取り組みを行う自治体は増加傾向にあります。また、子どもたちの支援にオンラインやメタバースを導入する事例、メタバースを活用したフリースクールの設立にも注目が集まっています。
そこで今回は、メタバースを活用した不登校支援の例として、東京都品川区の取り組みを紹介します。
事例①メタバースで「国際交流イベント」提供
品川区では、2024年10月24日より、メタバースを利用したオンライン学習と、国際交流イベントを本格的に開始しました。海外の児童・生徒との交流イベントは、世界とつながり知的好奇心を養い、学びの面白さを再発見することを目的としています。
文化や言葉の違う場所に住む人との交流は、新たな価値観の創出にも効果的です。また、実践的な英語学習、柔軟な思考力を高める効果も期待できます。
②期待されるオンライン学習の効果
品川区は前述の通り、2024年10月24日からオンライン学習の強化も図っています。支援員には、個別学習支援の経験が豊富な人材を採用し、5教科・週20コマの授業を行います。子どもたちは、自身の学習進度に合わせて授業を選択でき、異なる学年の授業への参加も可能です。
また、3Dメタバースを使った「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム」内に開校した「しながわオンラインスクール」で、学習サポートだけでなく、子どもたちの居場所づくりも支援します。
③「おしゃべり会」で心の成長も
「しながわオンラインスクール」では、2024年10月25日に、子どもたちの交流を促進する「おしゃべり会」をオンライン授業に加えました。「おしゃべり会」では、子どもたちやサポーターがテーマを決め、楽しく交流をしながらお互いの価値観の理解につなげます。
アバターを介したボイスチャット、テキストチャットは、子どもたちが発言をしやすく、本音で語りやすい環境づくりに貢献します。人の意見に耳を傾けたり、自分の気持ちを発信したりするなかで、学習面だけでなく精神面の成長を見込めるのも、品川区のメタバース支援の特長です。
自宅にいながら、さまざまな学びを
不登校小中学生の支援にメタバースを活用すれば、子どもたちは安心して集団での取り組みに参加しながら、自分のペースで学習を進められるでしょう。10月に本格始動したばかりの品川区の取り組みが、子どもたちにどのような影響をもたらすのか、今後の情報にも注目してみてください。