154年前まで存在したといわれている、滋賀県大津市の膳所城(ぜぜじょう)を、立命館大学(京都)の学生がデジタルで復元しました。膳所城の歴史をたどるイベント期間中は、リアルな膳所城址公園では、ARを活用した記念撮影も体験できます。
滋賀県大津市に存在した、膳所(ぜぜ)城
膳所城は、徳川家康が関ヶ原の合戦での天下統一後に、最初に造ったお城です。琵琶湖畔の、かつて「膳所崎」と呼ばれた場所に建っていた膳所城が、琵琶湖の湖面に映る様子は非常に美しかったといわれています。
1601年に築城された膳所城は、1870年(明治3年)に廃城の太政官布告され、新政府の早期実現を望む藩士たちにより、布告の翌日から建物の解体・移築が行われました。本丸跡は整備され「膳所城跡公園」となり、現在はわずかに残る石垣のほか、門が模擬再建されています。
立命館大学の学生達が、5年をかけて復元
廃城から154年、いま生きている誰もその姿を見たことがない膳所城を、立命館大学理工学部・理工学研究科の学生たちが、「デジタルの地産地消と地域振興」を目的とした活動の一環として、デジタル復元しました。
2020年よりプロジェクトを開始し、5年をかけて完成した「VR膳所城」は、2024年10月20日に滋賀県立文化産業交流会館で開催された「出張!お城EXPO in滋賀・びわ湖」に初出展し、1日限定のバーチャル体験を提供しました。
今後も観光資源や歴史を学ぶコンテンツなど、幅広いシーンで活用されることが期待されています。
膳所城跡公園でのフォトAR体験も
2024年9月28日からは、膳所城跡公園で「膳所歴史 デジタルスタンプラリー」も開催中です。公園内のスタンプスポットをめぐってスタンプを11個集めると、膳所城デジタル復元プロジェクトの、オリジナルポストカード2枚がもらえます。
また、イベント期間中に膳所城跡公園の「フォトAR・QRコードスポット」を訪れると、膳所城の360度ARを背景に、記念撮影も楽しめます。ハッシュタグをつけてSNSに投稿された写真のなかから、優秀作品を選ぶコンテストも行っているので、近くの人はぜひ膳所城跡公園を訪れて、スタンプラリーや記念撮影をしてみてはいかがでしょうか。
美しく再現されたお城を見てみよう
5年をかけてデジタル復元された膳所城のデータは、今後さまざまなイベントで体験コンテンツとして登場する予定です。2024年11月24日まで開催中の「膳所歴史 デジタルスタンプラリー」でも、ARで美しい膳所城を見ることができますので、ぜひ遊びに行ってみてください。