AR技術開発企業・Soliddd(アメリカ)が、黄斑変性症患者向けスマートグラスを発表しました。スマートグラス「SolidddVision」を使うことで、患者の視力回復が見込めます。

黄斑変性症とは
黄斑変性症とは、網膜の中心部である黄斑が出血したりむくんだりして、視力が低下する病気です。加齢とともに発症リスクが上がり、欧米では成人の失明原因2位となっています。これまで、日本では黄斑変性症患者は少ないといわれていましたが、高齢化や生活の欧米化が進む昨今、患者は急増中です。
50歳までの約1%に見られ、年齢が進むほど患者が多い黄斑変性症は、視野の中心部が暗く、見えにくくなるのが特徴です。ものが醜い、ゆがんで見えると感じる人も多く、放置すると症状が進行し、視力回復が難しくなってしまいます。
スマートグラス「SolidddVision」を発表
Solidddが発表した「SolidddVision」は、黄斑変性症患者の視力回復を支援するスマートグラスです。2つの前向きカメラと2つの内向きカメラを搭載しており、前向きカメラで外界を撮影します。内向きカメラには眼球の動きを追跡する役割があります。
前向きカメラで取得した映像は、専用のソフトウェアで処理され、網膜の健常な部分に投影されます。複数の画像の投影で、スマートグラスを装着していない状態よりも見やすさを上げるとともに、従来の視覚補助具とは違った方法での視力回復支援も実現します。
年内の市場投入を目指す
独自の技術とソフトウェアの組み合わせによって、黄斑変性症患者の視力回復を図る「SolidddVision」は、Solidddの臨床試験によると、50%以上の改善を確認したと報告されました。同社は2025年中の市場投入を目指し、製品化に向けた動きを進めています。
しかし、2025年1月現在、第三者機関による検証結果は公開されていません。市場投入に向け、今後はより大規模な臨床試験の実施と、その結果に関する発表が行われるでしょう。
今後の情報にも注目!
年齢とともに患者が増える黄斑変性症は、放って置くと失明のリスクもある深刻な病気です。症状が進行すれば、日常生活に影響をもたらすこともあるため、スマートグラス「SolidddVision」が、視力回復に大きな効果をもたらすことに期待したいですね。
リリースに向けた今後の情報にも、注目しましょう。