カリフォルニア大学(アメリカ)が、VRトレーニングに関する研究を行いました。研究によると、事前学習動画視聴が、その後のVRトレーニングに影響をもたらすそうです。

アメリカで実施されたVRに関する研究
カリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究チームは、「科学技術分野でのプロシージャルスキルの習得に、VRトレーニングが効果的であるか」を研究し、「Implementing Pretraining to Optimise Learning in Immersive Virtual Reality(没入型VRにおける学習最適化のための事前学習実装)」という論文を発表しました。
この研究では、93名の大学生を対象に「事前学習あり」「事前学習なし」の2グループに分けて、ピペット操作のVRトレーニングを実施しました。
研究の結果は?
「事前学習あり」のグループの学生は、ピペットの部品や使用方法に関する短い動画を視聴したのち、VRトレーニングを開始しました。一方、「事前学習なし」のグループは、動画視聴をせず、すぐにVRトレーニングに参加しました。
トレーニング後の知識テストでは、「事前学習あり」のグループのほうが成績が高い学生が多く、実際の操作においてもミスが少ない結果となりました。また「事前学習あり」のグループのほうが、学習時の精神的負担が低いことも、研究で明らかになりました。
効果の最大化に寄与する「事前学習動画」
VRトレーニング内でのタスク遂行能力などは、2つのグループに顕著な差は見られませんでした。しかし、その後のテストや実践の結果からわかる通り、事前学習動画を見たほうが、VRトレーニングの効果は高まります。
初めての体験に向けた基礎知識の習得は、学習者の不安を緩和し、トレーニングへの集中力を上げ、効果の最大化に寄与するといえるでしょう。この結果を受け、さまざまなジャンルのVR学習において、事前学習動画が導入されるとよいですね。
よりよいVRトレーニングの実現に向けて
没入感の高い空間で行われるリアルなVR体験は、幅広い学びの促進と効率アップを実現します。今回の研究では、トレーニング前に「事前学習動画」を視聴すると、トレーニングの効果がより高まることが証明されました。
よりよいVRトレーニングの実現に向け、事前学習にも力を入れるコンテンツが増加することに期待しましょう。