株式会社博報堂DYホールディングス(東京都港区)が、「メタバース生活者定点調査2024」の結果を公開しました。調査によると、メタバースの認知率は前年よりもやや下がっているものの、先入観や偏見は薄れつつあります。

「メタバース生活者定点調査」とは
「メタバース生活者定点調査2024」は、博報堂DYホールディングスがメタバースに関する生活者意識や、動向を把握することを目的とした調査です。全国の15~69歳の生活者を対象とした同調査は2022年から実施されており、今回が3度目となります。
「メタバース関連サービスの認知」はやや減少
調査結果によると、国内でメタバース関連のサービスを認知している人の割合は、38.4%でした。2023年調査の認知度は40.5%でしたので、前年と比べた認知度はやや減少傾向にあります。
減少の要因として考えられるのは、マーケティング施策の減少です。2024年は、メタバース関連サービスにおける認知を中心とした施策が2023年よりも少なかったため、これに比例し認知度も下がってしまったのではないでしょうか。
メタバースユーザーの意識についても調査!
認知度は下がったものの、「メタバースを認知しているが、利用はしたことがない」という層が持つイメージは、よいものになっています。「親しみの持てる」「手軽な・簡単な」というポジティブなイメージを持つ人は前年よりも増加しました。
一方、「オタクが多い」「先進的な・最先端」という項目は減少しており、メタバースがより身近で、親和的なものだと感じる人は多いようです。
また、利用層に対する「自分にとってのメタバースの存在」については、「しばらく接続していないと寂しさを覚える場」という回答が前年よりもわずかに上昇しました。しかし、「面倒くさい人間関係やしがらみを捨てられる場」「リアル・現実世界の知人・友人とは関係ない人たちと交流する場所」の項目は65%以上という結果ではあるものの、前年比-4.1ポイントと減少しており、仮想世界でも人間関係に悩む人、現実世界の人間関係を持ち込む人が増えていることがわかります。
メタバースの認知拡大・活用に向けて
2024年の「メタバース生活者定点調査」では、メタバースの認知度のさらなる向上という課題が見つかりました。幅広いシーンで仮想空間の活用が見られるものの、その存在を知らない、具体的な利用方法がわからないという人もまだまだ多くいます。
より多くの人がメタバースを理解し、仕事や生活の向上に役立つコンテンツを選択できる未来が訪れることに、期待したいですね。