地方創生にメタバースを活用する事例は、年々増加傾向にあります。今回は、奈良県商工会連合会が実施した、販路開拓に向けたメタバース活用を紹介します。

奈良県商工会連合会の「デジタル化推進支援事業」
奈良県商工会連合会は、国・県の認可により設立された法人です。企業のイメージアップや商品PRなどの情報発信、新規取引のチャンス拡大による、地域産業活性化と雇用促進に、デジタル技術を活用する取り組みを行っています。
商談会やセミナー、即売会、展示会などのさまざまな催しについて、従来の方法だけでなく、メタバースなどのデジタル技術を取り入れ、さらなる地域振興を目指します。
メタバースグローバル展示会「JVREX Food」
地方創生に向けたデジタル化推進の一環として、奈良県商工会連合会が注目したのが「JVREX Food」です。「JVREX Food」は、日本食品企業向けに、メタバース上で開催されるBtoBグローバル展示会です。
アメリカやタイ、台湾、シンガポール、香港などのバイヤーをターゲットに、国や商品ジャンル別で開催されます。「JVREX Food」の会場となるメタバース空間には、AI翻訳ツールやバーチャル商談機能などが搭載されており、言葉の壁を超えたコミュニケーションをより円滑に行え、新たな販路開拓を支援します。
メタバースを活用した海外展示会に出展!
これまでも、奈良県商工会連合会は、海外展開を目指す企業を個別にサポートしてきましたが、リアルな海外の展示会への出展は、現地での接客は順調なものの、帰国後の商談がうまくいかず、次のステップに進めないケースが多くありました。
メタバースを活用した海外展示会への出展は今回が初めてでした。不安を抱えるなか、「JVREX Food」は県内事業者の課題の可視化やノウハウレクチャーなど、準備段階から手厚いサポート体制が整っていたこともあり、地域企業の出展を後押しすることに決めました。
奈良県商工会連合会は、アメリカ向けのメタバース展示会「JVREX Food 2025 USA」および酒類・清涼飲料水に特化した「JVREX Food 2025 Liquor & Beverages」に、地域企業を出展させました。
出展前には、市場動向などの前情報やシステムのレクチャー、メールでのアプローチ文例などを伝える勉強会を4回実施し、海外展開を後押ししました。
メタバースで日本の魅力を世界に発信しよう
奈良県商工会連合会は、メタバース展示会への出展サポートにより、地域企業の世界進出を後押ししています。今後、奈良県発のさまざまな商品が、世界でも高い支持を集めることに期待したいですね。
全国各地のメタバースによる地方創生事業にも、注目しましょう。