神奈川県相模原市は、株式会社深谷歩事務所(東京都中央区)が提供する「消火器トレーニングMR」を、消防局の訓練などに試験導入していました。2025年7月、相模原市消防局は、試験導入の結果公開とともに、コンテンツの正式導入も発表しました。

リアルな消火訓練体験ができる「消火器トレーニングMR」
「消火器トレーニングMR」は、MR技術を使って現実空間に仮想の火災を発生させ、仮想の消火器を使って消火訓練を体験するサービスです。現実と仮想の融合により、本当に火災現場にいるような臨場感のなかで、安全かつ学びの多い消火訓練を実現します。
「消火器トレーニングMR」は、汎用的な利用を目的に開発されており、出火場所や延焼範囲、消火器の設置場所など、実際の環境に合わせて自由に設定できます。また、粉末消火器の粉末飛散を体験できるモードなど、演出も細かく再現されます
さらに、体験後にはプレイ内容をAIが判定し、スコアやコメントを提示してくれるので、課題を見つけてより実践に生きる力を身につけられるのも特徴です。
相模原市消防局が試験導入の結果を公開
相模原市消防局は、2024年度の消防イベントなどに「消火器トレーニングMR」を試験導入し、消火器利用の啓蒙活動に活用してきました。その結果、消火器の重要性の認知や、個人宅での消火器の設置意欲を高められるという、大きな成果があったことを発表しました。
相模原市消防局が実施したアンケートによると、体験者の消火器設置率は30%未満でしたが、体験後には体験者の93%が、「自宅に消火器を設置したい」と回答しました。また、「万一のときに、消火器は重要だと思いましたか?」という質問には、回答者全員が「はい」と答えており、MR体験が消火器の重要性を多くの人に伝えたことがわかります。
7月より正式な導入も!
試験導入の結果を受け、相模原市消防局は2025年7月9日に、「消火器トレーニングMR」を正式導入することを発表しました。今後も火災予防を啓発するさまざまなイベントにコンテンツを活用し、市民の火災予防への意識・知識の向上に務めていきます。
今後の活用に期待
「消火器トレーニングMR」の開発元である深谷歩事務所は、アップデートでさらに使いやすいコンテンツを目指すために、開発を進めています。今後も全国のイベントなどにコンテンツが活用されることに、期待しましょう。