医療や教育、サービス業などさまざまな業種に取り入れられているVRですが、VRゴーグルをかけるだけで災害の体験も可能です。防災訓練や災害についてリアルに知るためのツールとして活用される、防災訓練用のVRにはどのようなものがあるのかをご紹介します。
VR防災訓練とは
VR防災訓練は、その名の通りVRを活用した新しいスタイルの防災訓練です。従来の防災訓練は「地震です」「火災が起きました」といったアナウンスを聞き、指示に従い避難の練習をするというものでしたが、VRを訓練に導入することで、よりリアルな災害現場での避難方法を学ぶことができます。
VR防災訓練にはどんなものがある?
VRを活かした防災訓練は、よりリアルな体験ができ、災害への知識や危機感が高まるというメリットがありますが、訓練・体験用のVR動画にはどういったものがあるのでしょうか。
- 【火災】:東京理科大学大学院の関沢教授監修の「火災避難体験VR」では、火災時の視界不良を体験しながら、適切な避難方法を学ぶことができます。
- 【土砂災害】:神戸市消防局が作成した「避難体験VR~土砂災害編~」では、解説つきの動画で土砂災害の危険を体感することが可能です。
- 【豪雨】:広島大学と東広島市消防局が共同で制作した豪雨の動画では、西日本の幅広い地域に大きな被害をもたらした、平成30年の西日本豪雨を体験できます。
- 【地震】:「防災訓練用VR~地震編~」では地震の揺れを体感し、その後の被害について知ることで、家具を固定すること、ガラスの飛散防止対策をすることなどの重要性を学ぶことができます。
- 【自衛消防隊訓練】:工学院大学が制作した動画で、自衛消防組織の役割を知ると同時に、どういったことをするのか学んだり、体験することも可能です。
- 【はしご車乗車体験】:東京消防庁と渋谷区の協力により制作されたVR動画で、地上40メートルのはしご車からの映像を360度見渡すことができます。
子どもも体験できる?
VRによる防災訓練や体験は、大人はもちろん子どももゴーグルがあれば体験可能です。ただし、災害の映像によりショックを受けたり怖がったりしてしまう子どももいるので、内容を説明したうえで「見る」「見ない」を自分自身で判断できる年齢になってからの視聴をおすすめします。
また、ゴーグルは重いのでお子さまの頭や首に負担がかかる恐れもあるので、やはり小さすぎるお子さまの体験は推奨できません。目安としては小学校に上がったくらいからがよいでしょう。
VR防災訓練の導入事例
VR防犯訓練や体験は、大学や自治体、小学校、中学校などで幅広く導入されています。しかし、訓練の際には人数分のVRゴーグルが必要になるなど、コストの面からなかなか導入に踏み出せない自治体や教育機関も少なくありません。
VR動画を活用した訓練はよりリアルに災害の状況を知る・体感することで、万一のときに正しい行動をとることに役立ちますが、より多く導入していくためには、費用面が大きな課題となりそうです。
VRを教育に活かそう
VRは防災訓練だけでなく、スポーツや美術、音楽などさまざまな教育に進出してきており、デジタル教科書と並んで学校教育に欠かせない存在となる日も、遠くはなさそうです。
メタツアーズでもVRを教育に活かすためのさまざまなコンテンツをご用意しています。多くのお子さまの学びの促進に、ぜひメタツアーズのサービスもご利用ください。