1945年、終戦間際に広島、そして長崎に投下された原爆は深刻かつ甚大な被害をもたらし、多くの犠牲者を生みました。あれから70年以上経ちましたが、原爆の惨状は忘れてはいけない史実として、学校の授業などでも取り上げられています。
そんな原爆投下の歴史が色褪せないよう、リアルに体感できるVRコンテンツも登場しています。今回は、VR原爆体験についてご紹介します。
高校生が制作したVRコンテンツ
原爆投下の体験ができるVRコンテンツを制作したのは、広島県立福山工業高等学校の高校生たちです。2年以上かけて作られた5分間のVRコンテンツは、広島市街地にいるところから始まります。
その後、閃光が走り空は真っ暗に。爆発音が響き、街が崩壊する様子を見ることができます。
このコンテンツを制作した高校生たちは、もちろん原爆が投下された当時の様子を知りません。そこで、史料の写真などを集め、よりリアルに、そして正確に原爆投下の瞬間や当時の街並みなどを再現するよう努めました。
このコンテンツは2018年に発表されたものですが、ほかにもアメリカのニューヨークタイムズが360度のドキュメンタリー映像を公開するなど、原爆投下の歴史が風化しないためにも、VRは活用されています。
原爆体験を通して学べることは
VR動画による原爆体験は、原爆投下を「自分ごと」として捉えることに大きな効果をもたらします。史料だけではぼんやりとする部分が多いですが、実際に仮想空間で原爆投下当時の広島の地に足をつけることで、原爆の恐ろしさを身をもって体感できるでしょう。
VRによる体験を通し、多くの人が原爆投下を「忘れてはいけないこと」「許してはいけないこと」として認識し、歴史が風化しないよう次の世代へと繋いでいくことができるのではないでしょうか。
原爆以外にも!VRで学べる歴史
戦後数十年のあいだは「恐ろしい出来事=戦争」という認識が強かった傾向にあります。しかし、終戦から70年以上が経った現代では、「恐ろしい出来事=大震災」というイメージが強くなっており、戦争について学ぶ機会はあるものの、若い世代にとっては「遠い昔の出来事」「無関係なもの」となりつつあります。
そんな戦争の事実を忘れないよう、第二次世界大戦での戦闘を再現したVR動画も制作されています。また、リアルな映像によってより身近なものとして戦争が起こったという事実を捉えられるよう、戦争遺構をまとめたVRコンテンツなども存在します。
今後も戦争や原爆に関するさまざまなコンテンツが誕生し、80年後、100年後も子どもたちが当時の様子をリアルに学び、戦争について身近に考える機会を提供してくれることがきたいできます。
VRでさまざまな世界を見に行こう
VRを活用することで、現実には体験できないさまざまな体験をしたり、遠くの世界や過去、未来、宇宙などいろいろな場所にも行くことができます。
戦争や原爆投下だけでなく、歴史のなかで起こった更に昔の出来事もVR動画ならよりリアルに体感し、学ぶことができます。
メタツアーズでも、世界のさまざまな名所のVR映像を、専門家による解説付きでお楽しみいただけます。観光気分を味わいたいという方はもちろん、知識を深めたい、世界を知りたいという方もぜひご活用ください。