ゴーグルを装着することで、仮想現実の世界に入り込みさまざまな体験を可能とするVR。かつてはゲームやエンタメに利用されるのが主なイメージでしたが、昨今は教育にもVRを活用することが増えてきています。
VR教育は普通学級のみならず、特別支援学級 にも導入されてきており、その効果には大きな期待もされています。今回は、特別支援学級におけるVRの活用とその効果についてみていきましょう。
発達障害支援プログラムなど専用コンテンツが存在
特別支援学級 、と一言でいってもさまざまな症状を抱える児童・生徒が通っています。そんななか、三重県では発達障害の小中学生向けのトレーニング支援プログラムを実施。株式会社ジョリーグッドが提供する「emou(エモウ)」というツールを使用し、学校生活をリアルに再現することで、ソーシャルスキル向上を図ります。
これまで、こうしたトレーニングはイラストを用いた解説や教師とのロールプレイによって行われていました。しかし、これではリアリティに欠け、子どもたちは現実社会に状況を置き換えるのが難しく、高い効果が見込まれないことも。VRならより状況に入り込み、場面に適した対応を覚えられることはもちろん、相手の表情を読み取るといった教育も可能とします。
実証の結果は…
エモウを活用したトレーニングは、三重県や千葉県など、全国のさまざまな学校で実施。その結果、それまで難しかった自己紹介やコミュニケーションができるようになる、ロールプレイを積極的に楽しむといった様子が見られる子どもが増加しました。
対象の注視を継続しやすい子どもは全体の75%に改善が見られ、また継続が難しい子どもも、37%に改善の傾向が見られました。
VRを使ったトレーニングは、子どもの興味・関心を引き、よりリアルな体験によりその効果を上げることができるのはもちろん、コロナ禍における対面でのロールプレイを減少させる、万一休校になったりした場合にも、自宅でのトレーニングを可能とします。
VRによる教育でどのような効果が期待できる?
VR教育は現状「珍しいコンテンツ」であるため、それだけで子どもたちの興味・関心を引き意欲を高めるのに有効です。また、特別支援学級そのものや教育カリキュラムについて専門的な知識を多く持たない教師にも、専門的なツールがあることは非常に心強いでしょう。
さらに、こうしたツールや特別支援学級に対する取り組みを教員や普通学級の子どもたちにも広めることで、障害への理解を深め、共生できる社会を生み出す効果も期待できます。
今後、エモウの本格的な学校教育への進出はもちろん、エモウ以外にも特別支援学級向けのさまざまなVRコンテンツで、障害児教育の幅を広げる、高い効果を期待できるトレーニングを実現することも徐々にかなっていくのではないでしょうか。
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