VRを活用した教育コンテンツは年々増加しており、仮想空間での体験により現実にはできない経験をする、さまざまな立場となり想像力を膨らませることができます。最近は子育て家庭を疑似体験できるVRコンテンツも登場し、働く母や1人で子どもと向き合うママたちの苦労を多くの人に知ってもらうツールとして活躍が期待されています。
今回は、子育て体験のできるVRコンテンツについて詳しくご紹介します。
経済産業省「未来の教室」で子育てを体験!
経済産業省は、デジタル教材サイト「未来の教室」にて、時代の変化に合わせた新たな教育を構築中。その1つとして2021年11月、子育て社会を取り巻く社会問題について、中高生が考えるためのツールを開発することを発表しました。
この取り組みに携わるのは認定NPO法人フローレンスとクロスフィールズ。VRを用い、子育て家庭が抱える課題を疑似体験することができるようです。
VRの詳しい内容は「孤育て」?
子育て家庭に関わる問題・課題は多々ありますが、特に昨今深刻視されている「ワンオペ育児」を疑似体験できるような内容が中心となります。1人で家事・育児を担ういわゆる「ワンオペ」は、肉体的な負担はもちろん、孤独な環境下での育児の精神的なダメージも少なくありません。
家庭内の問題であるためなかなか明るみに出ることはないものの、ワンオペ育児による精神的負担は、虐待やノイローゼなどの深刻な問題につながることもあるため、多くの人が知り、理解し、解決に向け取り組む必要があるといえるでしょう。
働く母親を疑似体験できるVRも存在
共働き世帯が増加する昨今ですが、同時に育児や介護などと仕事を両立している方も少なくなく、ライフスタイルの多様化がうかがえます。そんななか、育児と仕事を両立させる大変さを多くの方に知ってもらうためのコンテンツとして、働くママの1日を描いたVR映像も登場しています。
このコンテンツ制作の目的は、企業の管理職の方々が仕事と育児を両立する社員のことを深く理解するためです。育児の経験がなければ、部下の事情がわからず、管理者自身の負担にもなります。双方の負担を軽減する、理解し合いながら信頼関係を深めることは、企業にとってよりよい効果を生み出すことが期待できます。
子育て体験VRで得られる「学び」は?
中高生が子育て体験VRで疑似体験をすることは、将来結婚し、子どもを持つこと、育児と仕事を両立させることなどへの理解につながります。また、コンテンツを通し「自分の両親はこんなに大変な思いで育ててくれたのか」と、他者の立場になって考えることもできるようになるのではないでしょうか。
管理職向け子育てVRでは、さまざまな立場に置かれている社員の苦労を汲み取り、その人その人に合った働き方を提案することを可能とします。VR動画は書籍や講演などでただ言葉のみで伝えられるよりも臨場感があり、子育て経験のない方にもわかりやすくその大変さを伝えることができます。
相手の立場になることで、どのようなサポートが必要か、どういったケアをしていくべきかをより考えやすくなり、上に立つ方もついていく方も、双方が働きやすい環境作りの促進が期待できるでしょう。
さまざまなVRコンテンツで視野を広げよう
現実にはなかなか体験・経験できないことも、VRを使えば実現できます。エンターテイメントはもちろん、昨今は子育てVRのような「学び」のあるコンテンツが多く登場しており、自宅や学校教育などに用いられています。
さまざまなコンテンツを楽しみながら、多くの人の立場を理解し、誰もが生きやすい世の中を作っていくことができたら素敵ですね。
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