VRを活用したドキュメンタリーは、ただ映像を見るだけでなくさまざまな学びや体験を実現してくれます。
今回ご紹介するのは、消滅の危機に立たされた言語を取り上げたドキュメンタリーVRです。内容や見どころをまとめたので、興味のある方はぜひ動画もチェックしてみてください。
VR動画の内容
世界で注目されている「KUSUNDA」というドキュメンタリーVRは、絶滅の危機に瀕しているクスンダ語を取り上げた作品です。クスンダ語はネパール中西部で話されている言語で、動画ではこの言語を守るために奮闘する現地の人々の姿を描いています。
監督を務めたのは、戦争や紛争をフレーム映像として伝えていたジャーナリスト出身の2名。自身が現地で感じた感覚を、見ている人にも同じように伝える手段としてVRを活用しています。「KUSUNDA」のほか、戦争で荒廃したイラクを取り上げたドキュメンタリーVRなど、世界の映画祭で高評価を得ている作品を数々排出しています。
ちなみに、現在世界で話されている言語は6000~7000語ですが、今世紀が終わるまでに3000語ほどにまで減少するのではないかといわれています。
動画の見どころ
「KUSUNDA」の注目ポイントは大きく2つ、先端技術により表現される世界観と、マイク機能を利用した演出です。CG合成やアニメーション、モーションキャプチャなど、さまざまな先端技術を使用して制作された動画で、見ている人の想像力をかき立てます。さまざまな技術の融合によりただ事実を知るだけでなく、実際の問題や状況をより当事者に近い、現地を訪れた人の目線にたって知ることが可能です。
VRゴーグル搭載のマイク機能を利用した演出も、とても面白いものとなっています。VR動画を視聴している体験者には、視聴中に数回、クスンダ語を話す機会が与えられます。クスンダ語を正しく発音できれば、その言葉の意味を知ることが可能です。ちょっとしたゲーム感覚で消滅の危機にある言語に触れられるのは、斬新な演出だといえるのではないでしょうか。
作品を通して得られるものは
このドキュメンタリーVRを制作した監督は、マスメディアが取り上げない世界の現実や問題に多くの人が目を向けることを目標としています。人口およそ300人のクスンダのなかで起こっている状況について、自発的に興味を持つ人、知りたいと思う人はなかなかいませんが、こうした動画を提供することで、世界中に絶滅危機の言語があるという状況を伝えることができます。
今回フォーカスしたのはクスンダ語ですが、動画を見ることで、今世紀末までに3000ほどの言語が消滅する可能性があるということについても、深刻に考える人が出てくるのではないでしょうか。
体験型のVR動画でさまざまな学びを
VRはただ自由な視点で動画を視聴できる、高い没入体験ができるだけのツールでなくなりつつあります。今回ご紹介した動画内での音声を使用した体験など、できることの幅が広がることで、一層リアルに近い体験や考える力、当事者目線で物事を見る力が養われるのではないでしょうか。
VRの進化が順調に進めば、学校教育にも導入され、子どもたちの学習の効率化や多くの体験が可能になります。その一歩として、メタツアーズが提供するデジタル教科書、VR教育などもぜひご活用ください。
今後もメタツアーズは、VRを活用したさまざまなコンテンツを生み出していきます。
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