VR最大の魅力といえば、360度の立体的な映像で、リアルな体験ができるという点でしょう。しかし、今回ご紹介するショートアニメはVRにも関わらず、2Dで描かれています。
「In the Land of the Flabby Schnook」とはどういう作品か、作品に隠された魅力は何かを見ていきましょう。
「In the Land of the Flabby Schnook」とは
「In the Land of the Flabby Schnook」は、2020年にカナダで制作された、およそ6分間のショートアニメーションです。Oculus TVで視聴可能で、原題は「Au pays du cancre mou」といいます。
この作品は、ヴェネツィア国際映画祭やサンタモニカ国際映画祭、バンクーバー国際映画祭など、さまざまな映画祭で高い評価を受けたVRアニメーションです。暗闇が怖い小さな男の子が、暗闇と向き合うというストーリーで、姉に暗闇が怖くなくなった理由を尋ねるところから、物語は始まります。
姉は弟を夢のような世界へと連れていき、弟はその世界で多くの恐怖と向き合うことになるのです。ストーリーとしては単純ですが、さまざまな視点で不思議なものを発見していく楽しみや、暗闇でどういったものが現れるのかというドキドキを体験できるのが、魅力だといえるでしょう。
子どもの目線を意識した映像
VRアニメーションの多くは3Dですが、この作品は珍しい2Dアニメーションとなっています。2Dキャラクターがぐるぐると体験者の周りを動き回り、暗闇の恐怖ではなく、暗闇を克服できるようなユニークさが、ちりばめられています。
VRゴーグルをつけられない小さな子どもが、タブレットなどで視聴することを想定されているような映像も魅力の1つです。体験者の目線が低めに設定されているのは、主人公が子どもであることはもちろん、子どもも実体験のような感覚を味わえます。
また、この映像を制作した監督は「悪者が登場しないことを重要視した」と語っており、子どもたちが相手をどのように見るのかは、自身がおかれる場所やそのときの心情により異なることが多いということを説明するためとしています。
空間音響で作品の立体感を演出
VR映像は空間音響を使うことで、より立体感のある仕上がりになるのも魅力です。「In the Land of the Flabby Schnook」も、二次元アニメーションではあるものの、例にもれず空間音響を活用しています。
空間音響を使えば、音のなる方向へ視点を向けさせることが可能です。また、この作品では広い空間で、登場人物である子どもたちが叫ぶシーンがありますが、叫び声が反響するのも、二次元の映像に立体感を持たせています。
子どもが懐中電灯をかざすと、細かな部分が映し出されるというシーンもありますが、実はこれが作品の伏線となっているというのも、面白い部分です。オマージュや画面作りの工夫など、ちょっとした細工が作品全体になされており、繰り返し見ることで、新たな発見が得られるのも、「In the Land of the Flabby Schnook」が評価される理由だといえるでしょう。
ユニークなVR映像をメタツアーズでも!
「In the Land of the Flabby Schnook」のようなユニークな映像は、世界中で多く制作されています。最新の技術を駆使することで、私たちに新たな世界を見せてくれるVR映像は、YouTubeでも手軽に視聴可能です。
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