VRというと専用ゴーグルを装着して特殊な編集を施した映像を見るというイメージが強いですが、なんと大阪大学の教授が昆虫専用のVRを開発したことが、ニュースで話題になっています。
そこで今回は、昆虫専用VRの内容や実験結果などをご紹介します!
昆虫専用VR装置とは
昆虫専用VRは、ランドセルを2個重ねたくらいの大きさで、装置の中心に背中を固定したカイコのオスがスタンバイ。LED照明が明滅しながら回転し、メスの匂いを含んだ風が吹くという仕組みです。
この装置を開発したのは、大阪大学の志垣俊介助教授をはじめとした研究グループです。昆虫の生態を詳しく調べるために、錯覚に陥らせるものを作ったそうです。装置による実験の結果などは、2021年11月に論文で発表されています。
装置による実験の結果は…
昆虫用VRは、匂い源を探す仕組みを解明するための実験に用いられました。VRシステムにより、オスのカイコがメスのカイコを探索する際、どのように情報を統合しているかが調べられました。
その結果、匂い情報や風情報は歩行・回転速度の速度調整に、視覚情報は姿勢制御に寄与することがわかりました。効率的な匂い源探索には複数の感覚による情報の統合が必要であることが、この研究により、世界で初めて明らかになったのです。尚、研究に関する詳しい情報は「https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2021/20211215_1」こちらにまとめられています。
研究が社会に与える影響
今回の昆虫用VRによる研究の成果は、生物分野と工学分野への貢献が期待されています。匂い源を探す行動は、生物の生存や子孫を残すために必要不可欠なものの1つです。今回開発されたVR装置を昆虫以外の生物にも応用すると、生物の生存戦略についての知見が深まることが予想されています。
また、匂い源を探索する行動の仕組みを理解すると、生物に有害なガスがどこから漏れているのかを探索するロボット、災害地域での人命救助ロボットなど、工学分野にも応用することができると、研究レポートでは語られています。
VRに秘められた可能性に期待!
VRは私たち人間だけが使うものだと考える方が多いでしょうが、今回ご紹介した研究のように、昆虫が体験することも可能です。VRがさまざまな生物の研究に応用されるようになれば、もしかしたらこれらの研究成果が犬や猫といった哺乳動物の生きていくために、活用される日も来るかもしれません。
私たちが利用するVRも、日々進歩を続けています。魅力的なVR動画はもちろん、学習や研究、生活などに役立つVRも徐々に増加しており、VRが私たちの未来を変える可能性は大いに期待できます。
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