2020年に制作された「Paper Birds Part1」は、2021年のヴェネツィア映画祭にノミネートされ、大きな注目を浴びました。その後、Oculus QuestとQuest2で独占的にリリースされ、VR映画として理想的な流れを作った作品です。

今回は、そんな「Paper Birds Part1」の魅力をご紹介します。

「Paper Birds Part1」とは

2020年、アルゼンチンで制作された「Paper Birds Part1」は、およそ19分のVRアニメーションです。作品の主人公は、音楽の才能に恵まれたトト。トトは影に連れ去られた妹を連れ戻すために、自身の才能を生かしながら「Paper Birdの謎」を明らかにしていきます。」

作品を手がけたのは有名なVRアニメーション制作会社、Baobab Studiosと、企業系VRやARを制作する実力派の会社、3dar。世界からの注目度からみて、初共同での作品制作は大成功といえるでしょう。

手書き風アニメーションと演出が魅力！

「Paper Birds Part1」は手書き風のアニメーションで、表情豊かなキャラクターたちが立体的な姿で動き回ります。キャラクターはもちろん、背景などの描写も美しく、トトがゴンドラに乗るシーンで映し出される夕日は、絵画を見ているような気分になるでしょう。

丁寧に描かれた風景が、より高い没入感を実現してくれます。

また、ジオラマ演出も魅力で、見せたい場所だけにスポットライトを当てる、自然な視線誘導を実現するなど、3darの演出力が光ります。見る範囲を絞りすぎると自由度が低くなり、VRならではのよさが軽減されてしまいますが、ところどころでスケールの大きな演出を盛り込むことで、飽きが来ないよう工夫が凝らされているので、最後まで作品の世界に入り込めるでしょう。

ハンドトラッキングでより素敵な世界に

作品のなかには、3カ所ほどハンドトラッキング機能を使ったインタラクションがあります。たとえばトトのバンドネオンの演奏に合わせて手を動かすと、体験者の周りに光が広がる、空に浮かぶ光の粒に手をかざすと、手に光が集まってくるといった演出です。

ただ作品を視聴するだけでも楽しめますが、こうしたVRでしかできないような演出が、より幻想的で素敵な世界を作り出してくれます。３カ所というのは少なく感じるかもしれませんが、ストーリーや作品の世界に浸りながら、自身のアクションでよりよい内容にするという点では、ほどよい回数なのかもしれません。

幻想的なVRアニメーションを楽しもう

リアルな体験が可能なVR作品、映像ももちろん多くの学びや魅力がありますが、アニメーションは現実にない美しさや夢のような世界を表現するのに最適です。2次元よりもさらに表現の幅が広がるVR空間で、幻想的なアニメーションを楽しみましょう。

VRアニメーションはYouTubeでも視聴可能です。メタツアーズが厳選したおすすめ動画には、マリオやポケモンなど、人気キャラクターたちの動画もありますので、ぜひお子さまと一緒に視聴してみてください。