「Attack On Daddy」は、数多くの映画祭で高い評価を得たコメディVR映画です。実写とCGを組み合わせたこの作品が、疲れたパパにどういったメッセージを伝えてくれるのでしょうか。
今回は、「Attack On Daddy」の魅力をご紹介します。
「Attack On Daddy」とは
2020年に韓国で制作された「Attack On Daddy」は、およそ10分間のVR作品です。同年に開催されたトライベッカ映画祭を皮切りに、カンヌ映画祭など、世界中の映画祭で注目を集めました。
作品はある日曜日の午後に、ソファでウトウトしている疲れた父親の姿から始まります。父親は娘に遊んでほしいといわれるのですが、疲れているのでイライラしてしまいます。
気が付くと娘はおらず、不思議なドールハウスに吸い込まれたことが判明。父親は娘を取り戻すため、ドールハウスに入っていくのです。
実写による撮影で作られた「Attack On Daddy」は、ところどころクスっと笑えるようなコメディ要素が含まれています。シュールな笑いを誘うようなキャスト陣の動きにも、ぜひ注目してみてください。
こだわりの撮影手法
「Attack On Daddy」はVR、360度映像として、何をしたら楽しいかを試行錯誤して作られています。制作スタッフである大人たちが、ドールハウスに入り込むことができたら、どんな感じなのかを真剣に考え、話し合う様子を想像するだけでも、ほほえましい気持ちになれるでしょう。
撮影手法にもこだわっており、ただ最新の技術を駆使するのではなく、本物のドールハウスのなかに360度カメラを仕込み、父親が巨人に見えるような演出をする、客観的に父親を見ていた体験者が、あるきっかけで父親の視点で物語に参加する、ドールハウスと同じセットを組んで、父親が飲み込まれる映像を撮影するなど、作品の雰囲気に合わせた撮影手法を採用しています。
細かな部分にまで遊び心がちりばめられており、何度見ても新たな発見ができるのではないでしょうか。
かわいらしい世界観も魅力
「Attack On Daddy」は、全体的に幼い娘の視点から見える世界を描いているので、かわいらしい世界観となっています。幼い娘の生きる世界に父親が入っていくことで、疲れたパパもかつては疲れ知らずの子どもであったこと、ワクワクするような気持ちなどを思い出してほしいと、監督は語ります。
幼少の頃の気持ちを思い出しながら作品を体験すると、ただ体験するのとは異なる気持ちを味わうことができ、作品の魅力が伝わるのではないでしょうか。
VRからさまざまなメッセージをくみ取ろう
コメディVRという、メタバースニュース内では初めて紹介したジャンルの今回の作品は、現代の疲れた大人たちに、子どもの頃の気持ちや笑い、そしてちょっとした癒しを与えてくれるものです。VR作品には、それぞれに込められたメッセージが存在します。作品体験後にどういった感想を持ち、作品のメッセージをくみ取るのかは、体験者によって異なります。
作品に没入し、楽しみながら、そうしたメッセージを見つけてみてくださいね。