幅広いジャンルのVRアニメーションが存在しますが、アジアンテイストなものは非常に多いわけではありません。今回ご紹介する「SHENNONG:Taste of Illusion」は、中国の古代神話を題材としており、迫力あるアクションシーンが特徴です。
映像の内容や、題材となった人物について、詳しく解説します。
世界的に高評価を得た「SHENNONG:Taste of Illusion」
「SHENNONG:Taste of Illusion」は2020年制作のVRアニメーションで、第75回ベネチア国際映画祭をはじめとした、多くの映画祭で上映され注目を浴びました。およそ10分間の映像のなかでは、美しい森や神秘的な生き物が生き生きと描かれています。
制作から2年が経過した現在も、VRMODEをはじめ、さまざまなVR動画サイトで視聴可能です。
中国の炎帝神農氏(烈山氏)とは
「SHENNONG:Taste of Illusion」は中国の神話や伝承に登場する、「炎帝神農氏(烈山氏)」の物語です。「炎帝神農氏(烈山氏)」は三皇五帝の一人で、中国の医療、農耕、そして火の神と呼ばれています。
ちなみに三皇五帝(さんこうごてい)とは中国の伝説上の帝王で、最古の夏王朝の前の三皇、それに続く五帝の計8名をいいます。炎帝神農(えんていしんのう)は医療と農耕の方法を人々に教えたといわれ、神農大帝、薬王大帝、五穀仙帝とも呼ばれます。
医薬の祖ということで、中国だけでなく、日本の湯島聖堂(東京都文京区)や薬祖神社(大阪府堺市)、少彦名神社(大阪府大阪市)でも祀られ、医療従事者、漢方薬業者などに信仰されています。
注目はアクションシーン!
「SHENNONG:Taste of Illusion」は、炎帝神農氏が特殊な薬効を持つ植物を探し求め、谷の深くまで探索する物語です。探索の途中、彼は怪しい植物を食べたことで、毒に侵され危機に陥ります。毒に勝ち、新たな力を手に入れることができるのか、炎帝神農氏の体内で起こる毒との闘いを、架空の生き物との大迫力のアクションシーンで描く様子にも、目が離せません。
アクションシーンを始め、作品全体に使用されている音楽も壮大で、歴史ある中国を想起させます。細部にまで目を配ると、新たな発見や感動を得られるかもしれません。
世界のさまざまな伝承をVRで
世界じゅうには多くの伝承があり、書籍を中心に現在も語り継がれています。神秘的な話、夢の膨らむような話を、リアルな体験として記憶に刻めるVRで見ることができたら、楽しいのではないでしょうか。今後も、さまざまな神話がVR映像として登場することを、期待したいですね。
幅広い体験を求めるなら、メタツアーズでご紹介しているYouTube動画もおすすめです。災害体験や職業体験などのリアルな動画はもちろん、今回ご紹介したVRアニメーションのような、非現実的な世界のなかに入り込めるものも多くあります。魅力的な動画の数々を、ぜひお楽しみください。