標高8,849m、世界最高峰として知られるエベレスト。登頂を目指す登山家は多くいるものの、実際にネパールへ行って登ることができるのは、ほんの一握りの人たちです。
今回ご紹介する「Everest VR The Movie Experience」は、頂上からの景色はもちろん、登山中の景色や美しいエベレストの様子をVRでリアルに見ることができる、ドキュメンタリーです。早速、内容や作品の魅力を見ていきましょう。
「Everest VR The Movie Experience」とは
「Everest VR The Movie Experience」は、エベレスト登頂を体験しながら、登山家の挑戦を知ることのできる、11分間のドキュメンタリーVRです。2019年にドイツで制作されました。物語の主人公は、Jon GriffithさんとSherpa Tenjiさん。彼らは、アルプス三大北壁の最速登頂記録を持つUeil Steckさんの友人です。
Ueil Steckさんは2017年4月30日、ヒマラヤ山脈のヌプツェを登る途中、およそ1000メートル落下し、亡くなりました。その1年後、Ueil Steckさんのプロジェクトを完遂させるために、2人が酸素ボンベを使わずにエベレスト登頂を目指す、というドキュメンタリーになっています。
カメラの位置に驚き
美しい景色はもちろん、映像のなかで驚くべきは、カメラの位置でしょう。ただエベレストを登るだけでも大変なのにも関わらず、映像内では「なんでこの場所にカメラが置けたの?」と思わせるような映像がいくつも登場します。
登山家目線、登山家とともに映像が動くというのはよくありますが、登山家たちより前にVRカメラが置かれているような視点での映像には、大人もワクワクした気持ちを覚えるでしょう。
雪崩が迫るシーンでは、遠くから落ちてくる白煙が徐々に広がり、雪崩が間近に来るまでを体験します。思わず体を動かして逃げたくなるようなリアルな映像や山の恐ろしさに、震えてしまう体験者もいたようです。
感動ポイントはココ!
頂上が近づくにつれ、登山はより過酷になっていきます。吹雪のなか、真っ暗なテントで動けない姿や、疲労の限界を迎え1歩を踏み出すのすらつらそうな様子を見ていると、「なぜここまでしてエベレストに登るのか」を考えさせられます。
しかし、そんな彼らに寄り添う形で進められるストーリーがクライマックスを迎え、登頂の瞬間を迎えたときには、自身も登り切ったような達成感と感動を覚えるのです。雲よりも高い位置からの美しい風景はもちろん圧巻ですが、それだけでは味わえない感情を、ドキュメンタリーを通して得られるのではないでしょうか。
世界最高峰からの景色を堪能しよう
エベレスト登頂を目指し出発しても、残念なことに命を落としてしまう方もいます。過酷なトレーニングを乗り越え、大きなリスクを背負って挑むエベレスト登頂は、気軽に挑めるものではありません。
VRでは、そんなエベレスト登頂を体験し、最後には世界最高峰からの絶景を見ることができます。2次元映像にはない美しさ、ただの登山映像にはない物語と感動を、ぜひご堪能ください。