2019年に公開され、さまざまな映画祭で高く評価された、ブラジルのVRアニメーションをご存じでしょうか。その作品「The Line」はかわいらしい映像のなかに、多くの仕掛けやメッセージが込められています。

作品の魅力を、ご紹介します。

「The Line」とは

「The Line」は、2019年のヴェネツィア国際映画祭でBest VR Experience賞を受賞。このほか、高雄映画祭、Raindance Film Festivalなど世界のさまざまな映画祭で評価されました。制作したのはブラジルのARVOREという会社で、最新のテクノロジーを駆使したストーリーテリングコンテンツ制作会社として、注目されています。

作品は、1940年代のサンパウロが舞台。ミニチュアサイズで表現された町のなかで、ミニチュアの機械仕掛けの人形たちが活躍します。主人公はブリキのおもちゃの男の子・Pedro。女の子の人形、Roseへ自身の思いを伝えるために毎日黄色い花を届ける、Boy Meets Girl的な内容です。わかりやすいストーリーとかわいらしい映像で、子どもも楽しむことができるでしょう。

ミニチュア演出の進化系ともいえる内容

VR映像のなかで多く用いられるミニチュア演出ですが、最近はドールハウスやミニチュアの世界をフルCGアニメーションで描くことが多い傾向です。「The Line」でもこの手法が取り入れられており、ミニチュアの街が巧妙に表現されています。

体験者は部屋のなかでブリキのおもちゃのゼンマイを巻くことで、街のさまざまな仕掛けを動かします。自身の行動が映像に影響するというのは、ミニチュア演出の進化形ともいえるのではないでしょうか。

体験者が主体となって進む物語

ゼンマイを巻く、スイッチを押すなど、単純作業ではあるものの物語は体験者の行動によって進んでいきます。主体性を持って作品に関わることで、より高い没入感を持つことができるでしょう。

物語の目的は、主人公を助けることです。体験者は作業の蓄積により、救出のための行動を自然と取れるようになっていきます。複雑な動作はないので、お子さまと一緒に体験するのもよいのではないでしょうか。

機械仕掛けの人形たちの単純な世界の話のようにみえて、実はおもちゃの男の子が女の子のために限られた世界を超えていく、という壮大なストーリーが隠されています。いつもの場所に黄色い花がなくなったとき、主人公のPedroはおもちゃの街に引かれた「Line]を超え、旅に出るのです。彼の勇気と大切な人を思う気持ちは、体験者にすがすがしい感動を与えてくれます。

VR映像の好きなジャンルを見つけてみよう

VR映画、と一言でいっても幅広いジャンルが存在します。アニメーションからドキュメンタリー、ストーリーも冒険から戦闘、日常の1ページのような内容までさまざまです。VR映像は短時間で見られる作品も多く、あまり興味のないジャンルのものも手軽に見ることができるので、新たな世界、好きなジャンルを見つけることもできるでしょう。

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さまざまな作品から得られる学びや癒やしで、自宅にいる時間をよりよいものにしましょう。

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