仮想空間をよりリアルに、そして快適に楽しむためのサービスや機能が日々開発されるなか、2022年6月に、魅力的なシステムが登場しました。「XR Pay」と呼ばれる新たなSaasは、企業や店舗、そして利用顧客の双方にさまざまなメリットをもたらしてくれます。
今回は「XR Pay」とは何か、そしてどのようなメリットが得られるのかをご紹介します。
「XR Pay」とは
「XR Pay」は、東京都新宿区に本社を構えるTIS株式会社が提供する小売企業向けSaaSです。ちなみにSaaSとは、「Software as a Service」の略で、クラウドサーバーにあるソフトウェアを、ユーザーがインターネット経由で利用できるサービスをいいます。
「XR Pay」は、あらゆるバーチャル空間をショップ化して、決済までを空間内で完結できるものです。アパレル店舗、ショッピングモールなど現実世界にも多く存在する場所を仮想空間上で再現し、商品を選択することはもちろん、決済までを同じ空間内で完結するという体験を提供します。
「XR Pay」は、家具や雑貨、アパレル、スポーツ用品など、BtoCの物販を事業とする企業はもちろん、ショッピングモールやミュージアム、ラグジュアリーブランドなど、ショールーミングによる集客を実施する物理店舗から、不動産や商店街、地方自治体といった物理店舗を管理する事業者まで、幅広い企業・団体に向けたサービス提供・展開を視野に入れています。
なぜこうしたサービスを提供した?
世界のAR・VR支出額は2021年に146億7000ドル、日本円にしておよそ1兆8000億円にまでのぼります。年々成長する市場は、今後も高い成長率が期待されている一方で、実はバーチャル空間内での購買には大きな問題がありました。
現在、バーチャル空間で買い物をする際には、WebのECへとページを移動するパターンが多い傾向です。これではせっかくバーチャル空間のなかで、高い没入感によって得られた購買意欲が、遷移先へアクセスすることで損なわれてしまい、購入に至らない、ということも少なくありません。
「XR Pay」のようにバーチャル空間で決済までが完了すれば、こうした機会損失を軽減させ、更なるVR、メタバース市場の発展に貢献できることが予想されます。
企業・店舗が得られるメリット
「XR Pay」への出店により、企業・店舗が得られるメリットは大きく5点です。
- サイト内で販売までが完結するので、離脱率を下げ、購入機会の損失を防げる
- 商品やブランドのコンセプト訴求で、コアファンを形成可能
- 低予算、短期での導入が可能
- ロケーションに捕われず、新規顧客へのアプローチができる
- 各種業務を「XR Pay」にて一括管理できるので、業務効率化にも
メタバース上での出店を目指している企業・店舗は「XR Pay」を出店先として検討する価値がありそうです。
顧客が得られるメリット
企業・店舗はもちろん、「XR Pay」は顧客にもさまざまなメリットをもたらします。
- 「情報の選択」でしかなかった購入画面への遷移がなくなり、没入感、高揚感を保ったまま購入できる
- 店舗の内装と合わせて、商品がどういったものなのかを確認できる
- 遠方の店舗でも、実際に足を運んだようなリアルな体験が可能
- 過去の購入品や決済情報などを一括で登録・管理できる
サイトごとに情報登録する手間などが不要で、また従来のネットショップにはない没入体験も可能。購買意欲の上昇や、手軽な買い物に貢献します。
便利なサービスで、メタバースをより楽しもう
高い没入体験を実現できる空間の実現、より上質な体験が可能なヘッドマウントディスプレイの開発などはもちろん、こうした新サービスで売る側も買う側も便利になる機能も、続々と登場しています。
「XR Pay」で私たちの買い物が変わるのか、今後も期待して注目したいところです。便利なサービス・機能を活用し、メタバースでの時間を楽しみましょう。