宇宙をテーマにしたVR作品は多く存在しますが、今回ご紹介するのあh、1人の宇宙飛行士の夢を描いたアニメーションです。制作期間18カ月、関わった専門スタッフはおよそ30人という壮大なプロジェクトが作り上げた作品には、どういった魅力が隠されているのでしょうか。
「Aripi -Wings-」の内容や見どころを、見ていきましょう。
「Aripi -Wings-」とは
「Aripi -Wings-」は2019年にモルドバで制作された、およそ8分間のVRアニメーションです。主人公は自由に空を飛ぶことを夢見ていた宇宙飛行士。ある日、ちょっとした事件をきっかけに主人公の乗る宇宙船に大きなトラブルが起こり、制御不能に陥ります。
地球に墜落した宇宙飛行士は、「夢の翼」を広げ、子どもの頃に戻りたいと願う、という内容です。トラブルや宇宙船の墜落というやや重めな内容もありますが、監督は「自由に空を飛ぶ体験をしてほしい」と、作品に込めた思いを語っています。
高品質なアニメーションで高い没入体験が可能
宇宙空間にいるような感覚や落下体験、そして空を飛ぶという非現実的な体験をよりリアルにしてくれるのは、高品質な作品クオリティです。360度の立体映像は美しく、またVR酔いしないよう、視点ではなくキャラクターが大きく動くといった工夫も凝らされています。
リアルな体験だけでなくストーリーを楽しみ、没入できるよう、シーンごとに仕掛けや工夫がされているのも特徴です。360度映像のリアルな体験は、長時間の動画だと疲れてしまうかもしれませんが、8分という短い時間なので、快適に楽しめます。VRとしてのクオリティはもちろん、ストーリーとしても完成度の高い作品だといえるでしょう。
さまざまなバージョンで、見方が変わる
「Aripi -Wings-」は360度3DのVR映像はもちろん、2Dや6Dofでも視聴できます。3つのバージョンにはそれぞれ魅力があり、2Dはフレーム映像として気軽に楽しめるでしょう。3Dはキャラクターの存在をより強く感じながら、リアルな体験が可能です。視点を自由に動かすことができるのもメリットですが、視点の方向を誤ると、物語に入り込めなくなるので注意しましょう。
6Dofはより高い没入感を得られるバージョンです。立ち位置なども自由に変えられるので、物語のなかに自分が存在しているという意識をもって体験できます。しかし物語における自身の存在意義や役割を考えないと、ただ存在するだけになるのが難しいところです。
それぞれのバージョンにあるよさを生かしながら、視点を替えて3つの映像を楽しんでみるのも、よいかもしれませんね。
宇宙を題材にした作品を楽しもう!
宇宙旅行に気軽に行けるのはまだまだ遠い未来ではありますが、宇宙を題材にしたVR作品はアニメーションやドキュメンタリーなど幅広くありますので、さまざまな作品で壮大な宇宙を身近に感じられる体験をぜひ堪能してください。
また、VRには宇宙体験以外にも、非現実的・非日常的な楽しい体験、メッセージをより明確に伝えてくれる動画が多く存在します。魅力的な作品を通し、豊かな心を育む時間を多くの方が過ごせることができれば、幸いです。