2018年に日本で制作されたかわいらしいVRアニメーション「Feather」は、大人も子どもも楽しめる内容で、キラキラとした世界観が魅力です。バレエダンサーを目指す人形が繰り広げる物語には、どのようなメッセージが込められているのでしょうか。
作品の内容や、注目したいポイントをご紹介します。
「Feather」とは
「Feather」は、2018年に日本で制作された、およそ10分間のアニメーションです。第76回ヴェネツィア国際映画祭ではVR部門でプレミア上映され、2019年のコニカミノルタプラタリアTOKYOでも上映されています。その後、オンライン配信もされており、高い注目度を裏切らない素晴らしい作品であることがわかるでしょう。
主人公は、小さな少女の人形です。バレエダンサーを目指す主人公は、その過程で多くの困難に見舞われます。それを1つひとつ乗り越え、少女は憧れていた舞台に立つのです。人形の少女が部屋で衣装を着て嬉しそうにする様子、バレエスタジオでレッスンを受ける様子、うまくいかず涙を流す様子などはとてもかわいらしく、全編を通してキラキラとした幻想的な世界観は、見る人の心を癒してくれます。
「羽」が物語の重要なカギに
作品の重要なポイントとなるのは、タイトルにもなっている「羽」です。冒頭では真っ白な羽が舞い降り、体験者がそれを拾い上げることで、物語が始まります。また、少女が困難にぶつかるごとに羽が舞い降りてきて、体験者がそれを少女に渡すことで、少女は勇気をもらい困難に立ち向かっていくのです。
羽を渡すと少女が行動する、という単純なサイクルにより、作品の世界に没入しやすいのも、この作品のよい点だといえます。
シーンの切り替えが秀逸!
「Feather」の舞台は、屋根裏部屋にあるドールハウスです。秘密の劇場で繰り広げられる少女の成長記を、体験者は見守ることになります。作品をよりよくする演出の1つが、シーンの切り替えです。
場面転換の際にはドールハウス内の機械仕掛けが動き、セットごと入れ替わります。物語が次のシーンへ移ったことが一目で分かるので、新たなシーンに違和感なく入り込むことができるでしょう。
まるでテーマパークのアトラクションを体験しているような、回転式の舞台で行われるミュージカルを見ているような演出を堪能するのも、この作品の楽しみ方の1つです。
心温まるストーリーを、家族で楽しもう
初めてVRを体験する人にも分かりやすく、入り込みやすいストーリーと演出で人気を集めた「Feather」。羽の受け渡しは単純な作業ですが、あるシーンでそれまでとは異なる展開を見せ、少女と体験者の心がつながったように感じられるのも、作品の魅力です。
体験を終えると、「少女に勇気を与えた」のではなく、「実は羽を通して少女から勇気をもらっていた」と気づくのではないでしょうか。
ほっこりするような映像とストーリーは、お子さまも一緒に楽しめるものとなっています。ぜひご家族で視聴し、作品から得られたメッセージや勇気について、話し合ってみてください。