各企業はもちろん、自治体でも製作に力を入れているメタバース。バーチャル渋谷やバーチャル大阪は、リアルな町並みを再現し、現実世界との連携による地域活性化を見込むなど、その活用に注目が集まっています。
そんななか、新たにメタバースに進出する自治体が現れました。それが「群馬県」です。群馬県が構想を練っている「メタバースワールド」は、どういった内容になっているのでしょうか。
今回は、概要や決定した制作陣などについてご紹介します。
群馬県が力を入れる「メタバースワールド事業」とは
群馬県はデジタルクリエイティブ人材育成を目的に、メタバースワールド事業を展開します。構築するワールドの企画や作成、運営は公募を行い、審査で決定。応募者は個人・法人を問わず、選ばれた対象に業務委託することを発表していました。
そして先日、8月26日に製作事業者が決定。メタバースワールドは2022年12月にオープン予定で、2023年3月31日まで委託されます。
業務のメインはメタバース空間内のワールド作成です。群馬県のデジタルクリエイティブに特化した若年人材育成拠点「tsukurun」を利用する人を中心とし、作品展示などを実施します。
ワールド自体は群馬県に住む小中高生が拡張・発展させていく予定です。将来的には作品を展示した人同士が交流できるような空間の構築も実現していきます。
製作者は厳しい審査を勝ち抜いた精鋭たち!
製作者の選定は、書類とプレゼン審査で行われました。審査員は群馬県職員のほか、民間審査員としてVR蕎麦屋タナベ氏、バーチャル美少女ねむ氏、一般社団法人XRコンソーシアムの若山理事の3名が務め、株式会社スピードの代表取締役である岩木勇一郎氏をワールド製作者に、アートディレクターには柴田 晃宏氏が選ばれました。
岩木氏が代表を務める株式会社スピードは、「デジタル×エンタメ」「どんなことでもおもしろく」をビジョンとしており、ICT人材育成事業などにも注力する企業です。ユニークな発想で、ワールドを盛り上げてくれることが期待されます。
アートディレクターに選ばれた柴田氏は、アニメ「忍たま乱太郎」の第1期オープニング演出や原画を担当したほか、「マリオパーティーSD」のアートディレクターの経験も有り、その実力が幅広い業界で認められている人材です。
製作者に対するコメントは・・・
民間審査員を務めた3名からは、製作者決定に際し、コメントも発表されました。その一部をご紹介します。
- VR蕎麦屋タナベ氏
子供たちがデジタルの世界で想像力を解放し創作できるよう機器や場所、そしてメタバースという世に発表する舞台まで提供する群馬県の取り組みは本当に素晴らしいと思います。 - バーチャル美少女ねむ氏
メタバースの住人目線で、実際にワールドに行きたくなるか、ワクワクするか、という観点で審査に参加させて頂きました。現実と仮想世界を繋(つな)ぎ地域のクリエイティブを促進する今回の試み、とても楽しみにしています - XRコンソーシアム 若山理事
群馬県の小中高校生が制作した作品がメタバース上のワールドに展示され、世界中の人々がそれらの作品に触れられる機会が作られるのは素晴らしいことだと思います。この機会が、小中高生の皆様にとって、デジタル作品を楽しく制作するきっかけになることを期待しています
書類やプレゼンでのアピールにより選ばれた2名には、メタバースワールドがよりよいものになることへの期待が集まっています。「メタバースでなければできないこと」「メタバースならではのよさ」を活かした群馬県のメタバースワールドの完成が、待ち遠しいですね!
人々を楽しませる、新たなメタバースに期待!
さまざまなメタバースが登場するなか、「都市連動型メタバース」と呼ばれるメタバースも多く構築されています。都市連動型メタバースは活用次第で、リアルな街の活性化にもつながる空間ですので、今後、群馬県のメタバースワールドがどのような展開を見せるのかが楽しみです。
12月のワールドオープン後も、メタバースワールドの詳しい内容について、ご紹介したいと思います!