日本の紙幣や旅券などが、どこで作られているかをご存じでしょうか。硬貨や勲章などは「造幣局」と呼ばれる場所で鋳造されていますが、紙幣などは「国立印刷局」で製造されています。
VRを活用した工場見学には多くのものが存在しますが、国立印刷局でも、VR工場見学を実施中です。そこで今回は、国立印刷局について、そしてVR工場見学の内容をご紹介します。
国立印刷局とは
国立印刷局は、正式名称を独立行政法人国立印刷局といいます。紙幣をはじめ、切手や旅券、郵便貯金通帳、証券類、政府刊行物などの印刷を担っているのが、国立印刷局です。東京都港区に本局を置いており、工場は東京・王子・小田原・静岡・彦根・岡山と全国に6つ。職員は「国家公務員」という身分になります。
国立印刷局の始まりは1869年。当時は「活版伝習所」という名前で、「勧工寮」→「紙幣寮」→「太政官正院印書局」→「紙幣局」→「印刷局」などと名称や立場を変えてきました。
1898年には内閣所管の印刷局となり、1943年には再度、大蔵省所管に。大蔵省印刷局、財務省印刷局と改称し、2003年に現在の独立行政法人国立印刷局となりました。印刷や製紙、出版などの業務のほか、偽造防止技術の研究/開発も行っています。以前は国立印刷局東京病院を付属施設として運営していましたが、こちらは2013年に、社会医療法人社団正志会へと移譲されました。
VRで工場内の一部の様子を配信!
さまざまな業務を担う国立印刷局では、工場内の様子をVRで楽しめる「オンライン工場見学」を配信しています。内容は大きく2つで、VR展示室とVR工場見学があります。
VR展示室は、工場内の展示室をオンラインで視聴可能です。ここではお札の製造工程や偽造防止技術、国立印刷局で製造された製品などが見られます。VR工場見学は、印刷の現場の様子を見ることができる内容です。お札を製造する機械を好きな視点で見たり、製造工程をゆっくりと見学したりすることができます。
通常の工場見学では見られない視点を楽しめるのも、オンライン工場見学の魅力です。
リアルな工場見学も実施中
国立印刷局では、もちろんリアルな工場見学も実施しています。6工場のうち、見学ができるのは東京・小田原・静岡・彦根の4つ。工場内の見学をはじめ、映像やパネル展示、体験装置などで、お札などができる様子を間近で見られます。
見学日や見学可能時間、申し込み方法は工場ごとに異なる場合もありますので、詳しくは国立印刷局の工場見学ページから、各工場の詳細をチェックしてみてください。
お金や切手を作る、主要な工場のなかをVRで
国内にはさまざまな「モノ」を製造する工場があります。工場によってはリアルな工場見学、オンライン、VRでの工場見学を実施しているところも多いので、さまざまな工場を見てみるとよいでしょう。
国立印刷局は、数ある工場のなかでも重要なモノの製造を担う場所だといえます。まずはVRで見学をしてみて、さらに興味があればお近くの工場へ。リアルな見学の申し込みをしてみてはいかがでしょうか。
興味のある工場を探し、友達と、親子で、工場見学をお楽しみください。