VRが、医療に新たな風を吹かせる可能性が高まっています。2022年6月30日より販売を開始した「True3D PreOP」は、よりリアルな体験で、より安全な治療に貢献することが期待されています。
今回は、「True3D PreOP」の詳細をご紹介します。
「True3D PreOP」とは
「True3Dホログラム PreOP」は、東京都品川区に本社を置くセンチュリーメディカル株式会社が開発・販売を行っています。これはがんなどの医療画像を処理し、組織や臓器の解剖学的な構造を、3Dホログラム上のバーチャルリアリティ立体画像として表示してくれる医療機器です。
2022年1月17日に医療機器認証を取得しました。2022年1月時点では、国内初のワークステーションとなります。
どのような体験が可能?
「True3D PreOP」はCTやMRI、超音波画像診断装置、血管造影X線診断装置などの画像診断装置から得られた画像を、特殊なディスプレイに実物大で表示。デジタルツイン上で、計測や手術のシミュレーションの実施ができるようになっています。
リアルなシミュレーション体験は、実際の手術での解剖や疾患を立体的・空間的に把握することができるので、医療関係者が手術前に体験すれば、より安全な治療の提供に貢献できるでしょう。
医療関連の画像診断技術は近年、急速な進化を遂げており、診断可能な疾患の種類が広がる、解剖の可視化ができるといったこれまでにはできなかったさまざまな医療行為を可能にすることに役立っています。
さらに「True3D PreOP」では実物大のホログラム状「デジタルツイン」で、4次元画像の視覚化をすることができ、各種診断、外科治療の重要な情報源となることが期待されています。
「True3D PreOP」は医療にどう貢献するのか
前述の通り、「True3D PreOP」は医療現場における安全な治療の提供を可能とすることが期待されています。また、これまで診断が難しかったものも、可視化がよりリアルになることで、診断のための材料として大いに役立つでしょう。
「True3D PreOP」は、海外では複雑な心臓内の血管や肺動脈の再建などに利用されています。また、手術が複雑な小児領域でも患者の解剖学的構造を細かに視覚化できるため、手術に役立っているそうです。さらに予期せぬ合併症などの問題の回避などの問題解決にも貢献するため、医療関係者のみならず、患者にとっても有益な効果をもたらしているといえます。
今後、日本でも「True3D PreOP」は新たな画像診断ワークステーションの1つとして、医療の発展に大いに役立つと考えられます。研究・開発が進めばさらなるシステムや機能の導入も夢ではなく、医療画像関連システムをトータルで提供する、重要なツールとなるのではないでしょうか。
さまざまな学びや体験を、VRで
「True3D PreOP」は医療を大きく変える可能性のある優れた画像診断ワークステーションです。失敗の許されない医療現場において、事前の学びを提供してくれるツールとして、今後医師の技術向上にも貢献してくれるでしょう。
VRはさまざまな学びや体験を与えてくれる重要なツールです。メタツアーズでは今後も、医療に限らず、幅広い分野において人々の成長や安全に役立つVRの登場に注目していきます。