メタバース上でできること、VRの活用の幅などは順調に広がっています。そんななか、実証実験が開始されたのが、よりリアルなオンライン接客です。
今回は、トランスコスモスとNTTコミュニケーションズが実験を行っている、バーチャル空間における接客の提供に関する情報をまとめました。
トランスコスモス株式会社について
今回の取り組みの中心となっているのは、東京都豊島区に本社を置く「トランスコスモス株式会社」です。デジタル時代の総合商社と称される同社は、IT関連のさまざまなサービスを提供。国内に66、海外にはなんと102の拠点を持つ企業です。
1966年の創業以来、デジタルマーケティングをはじめとしたさまざまな事業を展開しており、グループ企業も多く抱えています。その規模の大きさや長年の歴史から、知っている方も多い企業ですが、2022年4月に創業者が逝去したことでも、話題となりました。
NTTコミュニケーションズとの取り組み概要
そんなトランスコスモス株式会社が、NTTコミュニケーションズ株式会社とともに取り組むのが、メタバースを活用した新たなコミュニケーションの創出です。仮想空間は魅力的なコンテンツやサービスを提供するのに最適な場ですが、モノの売買の場としても活用されるようになって以来、企業と顧客のあいだに生じる接客については、多くの課題が掲げられてきました。
そこで、よりよいバーチャルコミュニケーションを実現するための実証実験を、2022年8月よりメタバース上の「バーチャルコミュニケーションサービス」にて開始。バーチャル空間での接客をフルボディートラッキングアバターによって行うことで、よりリアルに近いコミュニケーション提供を実現します。
バーチャルコミュニケーションサービス構築の効果
新型コロナウイルスの影響で、ライフスタイルが大きく変化するなか、企業が顧客に提供する接客、コミュニケーションの方法は多様化しています。多くの企業はオンラインサービスの拡充、コンタクトセンターの強化を進めていますが、利便性が向上する反面、リアルに近い接客ができなくなっていることが課題とされていました。
顧客のなかには従来の対面によるリアルな接客、人と人とのコミュニケーションを重視した接客を求めていることもあり、こうしたニーズに応えるために構築されたのが「バーチャルコミュニケーションサービス」です。
リアルに近い接客をメタバース上でも受けることができれば、顧客はより高い体験価値を感じられ、購買意欲も掻き立てられるでしょう。自宅にいながら「誰かと対話をしている」という満足感も得られ、これにより孤独感やオンラインならではの「あたたかみのないやり取り」のようなものも払しょくされます。顧客が満足感を得て、より多くの商品購入、サービス利用を行えば、企業にとっても利益増大につながります。
オンライン接客の進化でより快適に
オンラインによるショッピングは長年、多くの方に活用されています。メタバースの登場により、従来のオンラインショッピングよりもリアルな買い物体験ができるようになりましたが、接客面に関しては課題も多く残っていました。
今回の実証実験により得られた効果や成果が、今後のオンライン接客の進化のために役立ち、よりよいオンライン接客の実現につながることを、期待したいですね。