カンフー映画界の伝説的俳優として、世界に名を知らしめたブルース・リー。ブルース・リーが生前住んでいた邸宅をVRで再現するプロジェクトが、現在進行中です。
今回は、2023年に公開予定のVRコンテンツについてご紹介します。
武道家から映画界へ転身!ブルース・リーとは
ブルース・リーは、1940年に、アメリカ合衆国で誕生。その後、イギリスの植民地下にあった香港へ帰国し、育ちました。終戦後は8歳から子役として数多くの映画に出演し、同時に少林拳の邵漢生に指導を受け、節拳(弾腿門)などを学びます。
香港で開催されたボクシング大会では、全イギリス人チャンピオンを倒し優勝。しかし、ブルース・リーの将来を心配した父親は、彼が18歳の時に渡米を命じます。ブルース・リーはアメリカで高校卒業資格を取得し、ワシントン大学へ進学。勉学に励みながら、中国武術の指導も始めました。
彼が武道家からカンフー映画のスターへと転身した機会は、1966年。アメリカの「ロングビーチ国際空手選手権大会」で行われた演武がテレビプロデューサーの目に止まったことがきっかけです。「グリーン・ホーネット」の準主役に抜擢され、これをきっかけにさまざまなテレビや映画に出演するようになりました。
「ドラゴンへの道」「燃えよドラゴン」をはじめ、数々の映画に出演したブルース・リーですが、1973年、わずか32歳で死亡。亡くなったあとも彼の出演作は世界中に配給され、没後50年が経(た)とうとする現在も、カンフー映画ファンをはじめ、多くの方に愛されています。
2019年に取り壊された邸宅がVRで見られる!
ブルース・リーが住んでいた「棲鶴小築」と呼ばれる邸宅は、2019年に取り壊されています。しかし、ブルース・リーを題材にしたVRコンテンツ「Revival of the Memory: Bruce Lee’s Home in Metaverse」では、この邸宅を訪れることが可能です。
制作を行ったのは、香港職業教育学院に在籍する3名の学生。既に現実世界には存在しない邸宅を、VR空間内で自由に散策できるこのコンテンツは、ブルース・リー没後50年の2023年7月20日に公開予定です。
カンフー映画ファン、ブルース・リーファンが世界中のどこからでも聖地巡礼できるこのコンテンツには、公開前からすでに大きな期待と注目が集まっています。
プロジェクトへのコメントは
今回ご紹介したVRコンテンツは、どのような展開がされるのか、詳細が明らかになっていません。しかし、「メタバース」というワードが入っていることから、何かしらのイベントやアクティビティが実施されるのではないかと予想されています。
今回のプロジェクトに関して、「ブルース・リー・クラブ」会長のウォン・ユキオ氏は次のようにコメントしました。
我々は、皆様にブルース・リーの最後の軌跡をVR技術を通してもっと知ってもらい、彼の「水の哲学(※生前のブルース・リーの思想体系)」についてもっと理解してほしいと考えています。このプロジェクトは、ブルース・リーの精神を、制限のない形式で世代から世代へと受け継ぐことを望む3人の若い学生たち、大学、団体が連携する形で進められています。
公開されるVRコンテンツは、50年経っても伝説的な人気を誇るブルース・リーの世界観や思想が、今後も多くの方に受け継がれていくための重要なツールになるのではないでしょうか。
現存しない建造物も、VRで
VRは世界のさまざまなスポットを再現したり、実際にはできない体験をしたりするために役立ちます。また、今回ご紹介したブルース・リーの邸宅のように、既に無くなっている建造物、今後取り壊される建造物をリアルな資料として残すことも可能です。
写真や二次元映像よりもリアルに歴史を感じられるVRが、新たな歴史の保存方法として今後も多く取り入れられていくことが期待されます。メタツアーズでは、公開後の「Revival of the Memory: Bruce Lee’s Home in Metaverse」についても紹介予定です。ご期待ください。