さまざまな媒(ばい)体でVR映像が制作されるなか、VRChatで制作されたドキュメンタリーが話題となっています。大手放送局HBOの配信サービスでも視聴可能な映像の魅力は、どこにあるのでしょうか。
今回は、「We Met in Virtual Reality」について、ご紹介します。
「We Met in Virtual Reality」とは
「We Met in Virtual Reality」は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴うロックダウン期間中の「VRChat」について描いた作品です。2021年に製作が発表され、クラウドファンディングも行われました。
作品にはオンラインで教育を行う先生や、オンラインで知り合ったカップル、オンラインでダンス教室を運営するカップルなど、さまざまな人物が登場します。彼らが「VRChat」を使用する理由や、コロナによるパンデミックの際にどのように役だったか、生活や社会的関係がどのように変化したのかなどが、91分間に詰め込まれています。
「We Met in Virtual Reality」は多くの専門家から高評価を得ており、また一般の視聴者やクチコミからもポジティブな評価を多く獲得しました。
監督は「自分自身の個性を受け入れて欲しい」とコメント
「HBO Max」での配信決定に伴い、この作品を手がけたJoe Hunting氏は、以下のようにコメントしています。
私は、人々がこれらの声とつながり、現実の世界にいるのと同じように、彼らの感情を感じて欲しいと思っています。同時にこの映像は、表現と楽しく、遊び心、そして多分今まで発見したことのない自分自身の新しい一面を受け入れることについてとても重要です。
私は、人々がこの映画からインスピレーションを受け、それが何であれ、自分自身の個性を受け入れることに積極的になる形で(視聴を)終えて欲しいと考えています。
ただ「コロナ禍」におけるバーチャル媒体の活用方法について学ぶだけでなく、さまざまな立場の方の変化や体験を通し、自身の個性を受け入れるということにつなげて欲しいと、監督は願っているようです。
VRChat活用の映像コンテンツは増加中
「VRChat」そのものは、バーチャル空間でゲームやコミュニケーションなどを楽しむためのツールですが、最近はこの「VRChat」を活用し、映像コンテンツを作る事例が増加しています。
日本での例を挙げると、VRクリエイターの「もんちゃん」が制作したショートムービーが有名です。また、バラエティ番組のようなスタイルの動画や「VRChat」での日常を撮影した動画などもSNSで多く見られます。
今後も「VRChat」を活用した、新たなジャンルの動画が多く登場することに期待したいですね。
豊富な映像コンテンツを楽しもう
VRの映像コンテンツ、VR空間を活用した映像コンテンツの制作は活発化しており、内容、技術などさまざまな方面でのクオリティは劇的に進化しています。
未来のVR映像界を担う優秀なクリエイターが登場するための「学びの場」が増えれば、より多くのコンテンツの登場にもつながります。魅力的な映像の数々を、楽しみましょう。