MetaのReality Labsの研究チームが、アバターの着せ替えシミュレーションに関する研究を公開。その成果に注目が集まっています。
体型に合わせた着せ替えを可能とする、新たな機能に関する情報を、見ていきましょう。
3Dアバターの着せ替え、リアルタイムでの課題
CGを活用した3Dアバターはメタバースに限らず、映画などの映像でも活用されています。しかし、リアルなアバターは作りには、長い処理時間を要するため、リアルタイムで動くバーチャル空間上だと、現実にあるようなリアルな服の形状や動きを実現するのは困難といわれていました。
「リアルな体験ができる」というのが醍醐味のメタバースでの体験において、キャラクターっぽいアバターが起用される理由は、ここにあったようです。
Metaの研究で実現したことは
今回、Metaが行った研究は、衣服の動きをシミュレートし、機械学習を用いてリアルな衣服を着たアバターを実現させる、というものです。研究の発表では、実際の人間のようなリアルなアバターが、本物そっくりなワンピースを着用したアニメーションを制作する技術を紹介。
痩せ型やしっかりとした体型など、さまざまな体型のアバターに対応しており、体型の異なるアバター間での衣服の移動、サイズ変更も可能です。短時間でリアルな服を着たアバターを作り出せれば、自分に似た体型や顔のアバターに、好きな服を着せてメタバース内でのおしゃれをより楽しめるのではないでしょうか。
今後の課題
研究により、魅力的な機能の実現に一歩近づいたMetaですが、Metaの既存VRヘッドセットやデバイスでリアルな体験を実現するには、まだまだ時間を要しそうです。研究で実現したアバターはNVIDIAの「RTX 3090」を使用、約13フレーム/秒で動作しているため、「リアルタイムで動作している」というにはほど遠いのが実際のところ。
また、着物のようなゆったりとした大きなひだのある服、十二単衣のように何枚も重ねた服など、複雑なデザインのものには対応しにくいようです。
課題も多々あげられますが、従来のアバターから一歩前進したアバターへの移行が、遠くない未来にあることを示した今回の研究。リアルなアバターでメタバースを楽しめる日が来るのが、待ち遠しいですね。
よりリアルでおしゃれにメタバースを楽しめる時代へ
メタバース上で使用できるアバターは非常に多く、個性的なキャラクターでワールド内での時間を過ごせるのが魅力です。しかし、今回ご紹介した機能が実装すれば、現実世界にさらに近い体験や交流も、夢ではありません。
リアルなアバターに好きな服を着せて、ぜひ現実にはできないおしゃれもお楽しみください。